若き日の小さんは一晩で二十七軒の寄席を廻ったこともあるとか。この病が蔓延している当時、多くの家の入口に「久松留守」と書いた紙が貼ってあったという。
こんな内容です。病名の由来は歌舞伎や浄瑠璃で有名な心中物語「お染久松」の女性の名から。実際は今のインフルエンザだったようです。
昔この物語が世間に大層はやり、「流行する」ことに引っかけての命名だったとか。病気を久松に恋するお染に見立て、「うちにはあなたの好きな久松はいませんよ、入って来ないでください」という意味で「久松留守」という紙を貼ったといいます。まがまがしいはずの疫病がちょっと小粋に感じ……るワケありませんね。けれど、どんな状況でも心の余裕がまったくなくなると怖いですから。たまにちらりと落語日和、いかがですか?