どうしても気になるシミには、コンシーラーを活用。
撮影・玉置順子(t.cube/モデル)、久々江 満(商品) スタイリング・日置 彩 ヘア&メイク・長井かおり モデル・樹神 イラストレーション・さとうあゆみ 文・片岡えり
肌ノイズを完璧に消すことよりいきいきした素肌感を優先。
シミはコンシーラーで隠す、というメイクの常識。「でも実はコンシーラーは、プロ向けといえるくらい、上手に使うのが難しいアイテム」と長井さん。「部分的に厚塗りになって浮いて見えたり、こすりすぎてファンデーションを剥がしてしまったり。また、隠した痕跡を感じると、その下に何があるのだろう、と探りたくなるのが人の心理です。そこに見せたくないものがあるとバレるくらいなら、シミが薄く透ける仕上がりのほうがはるかに若々しい。そして、自分では気になっても、小さなシミは誰も見ていないことに気づいてください。美肌ゾーンにファンデーションをしっかり塗った上で、さらなるカバーが必要か、見極めて」
【ルール1】遠目の美肌を目指しシミを探しにいかない。
シミを気にする人は、木を見て森を見ずになりがち。「虫眼鏡で見るようにシミだけにフォーカスし、全体を見ていないんです。でもよほど親密な関係でない限り、間近で肌を観察されることはありません。下地とファンデーション、眉やアイメイクも仕上げてから、遠目で全体の印象をチェックし、それでもやっぱり気になるシミがあるなら、ピンポイントでカバーしましょう」
【ルール2】まわりの肌になじむ色調節を徹底的に。
「コンシーラーを使う上で一番大事なポイントは、隠した痕跡を残さないこと。そのために、まわりの肌と違和感なくなじむ色を徹底的に吟味して。肌色より明るいコンシーラーではシミを隠すどころか悪目立ちする結果に」。顔の中でも、頬や目の下、口まわり、と部位によっても明るさや色調は違うもの。「素肌ではなく、ファンデーションで仕上げた肌色に合わせます。色をブレンドして微調整できるパレットがおすすめ」
【ルール3】指を使わず、ツールを使ってやさしくトントン。
シミや色ムラをコンシーラーでカモフラージュするときに、もう一つ大事なポイントが、指を使わないこと。「指だと必要以上の力が入ってしまうので、シミの上にコンシーラーをのせているつもりが、なじませながら下のファンデーションまで削ぎ取ってしまっています。シミは隠れない上に、せっかくきれいに仕上げたファンデーションまで崩れることに。指ではなく、繊細にコントロールできる綿棒やスポンジの先端を使って、ターゲットに対して垂直にトントンとのせます。シミカバーは、広げず、こすらず」
[ぼんやり大きなシミ → スポンジの先端を使用]
[小さく濃いシミ → 綿棒でピンポイント攻撃]
長井かおり(ながい・かおり)さん●ヘア&メイクアップアーティスト。雑誌やWebを中心に多くの美容企画を担当。理論的なメイクメソッドに人気があり、幅広い年齢の女性に支持されている。近著に『世界一わかりやすい メイクの教科書』(講談社)。
『クロワッサン』1015号より