くらし

何かを望むんならば、人ではなく自分の力で得ようと思わなければ――山崎朋子(女性史研究家)

1977年創刊、40年以上の歴史がある雑誌『クロワッサン』のバックナンバーから、いまも心に響く「くらしの名言」をお届けする連載。今回は、女性の自立を、子どもとの関係に焦点を当てて考えます。
  • 文・澁川祐子
1978年8月10日号「『子どもからの自立』をめぐって」より

何かを望むんならば、人ではなく自分の力で得ようと思わなければ――山崎朋子(女性史研究家)

<今、単に女の自立ではなく、女=母親の子どもからの自立が語られようとしている>

そんな見出しからはじまる特集記事。仕事しながら子育てを経験したエッセイストや語学教師、評論家といった女性たちが、子どもとの関係、距離の取りかたについて体験談を語っています。

この企画の軸になっているのは、公民館職員の伊藤雅子さんが書いた『子どもからの自立―おとなの女が学ぶということ―』(1975年、未来社)という本。伊藤さんは幼児のいる専業主婦のための市民講座を開くにあたり、保育室を設置するよう働きかけ、その経験を1冊にまとめました。女性の学び、保育のありかたに一石を投じた同書は、毎日出版文化賞を受賞しています。

女性の自立というと、とかくパートナーからの自立に焦点が当たりがちですが、それは相手が子どもであっても同じこと。女性史研究家の山崎朋子さん(1932-2018)は、<相手に対する要求過多なんだと思いませんか>と問いかけます。そして期待は周囲にするのではなく<自分のほうに向けるべき>だとして、今回の名言へと続きます。

なお『子どもからの自立』は2001年、岩波現代文庫から新版が発刊され、いまも読み継がれています。「毒親」という言葉が定着するほど、親の子どもへの過干渉はますます問題になっている昨今。いったん過去を振り返り、これまでの道のりを振り返るときにきているのかもしれません。

※肩書きは雑誌掲載時のものです。

澁川祐子(しぶかわゆうこ)●食や工芸を中心に執筆、編集。著書に『オムライスの秘密 メロンパンの謎』(新潮文庫)、編著に『スリップウェア』(誠文堂新光社)など。

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