【林家たい平さん×ふなっしー 対談】人気キャラクターの秘密
ジャンルの垣根を超えて繋がる二人のキャラクター観とその未来とは?
撮影・青木和義 スタイリング・高島聖子 文・大澤千穂
衝撃の事実。笑点メンバーも 実はキャラクターだった!?
たい平 ふなっしーも被災した地方に継続して積極的に足を運んでいるよね。それはやっぱり「行ったら誰か救えるかも」という思いに突き動かされているんじゃないかな。
ふなっしー いやもう、そのとおりですなっし(笑)。イベント終わった時は息も絶え絶えだけど、体力の続く限りはやろうかなって思ってるなっし。
たい平 大丈夫、ふなっしーが全国を回ってる間は、テレビでは僕がその看板を守っているから。そこは連携プレーで行こうよ。
ふなっしー ひゃー、ありがとうございますなっし! でもテレビの向こうから師匠の愛は常に感じてますなっし。
たい平 そのくらい恩義に感じているんですよ。僕も『笑点』で自分の居場所が定まらない間、ふなっしーに助けてもらったから。あの笑点メンバーという何より強烈なキャラクターたちの中に入る重圧といったら!
ふなっしー えっ、笑点メンバーの皆さんもキャラクターなんですかなっし!?
たい平 キャラクター以外の何物でもないでしょう、エロキャラ、貧乏キャラ、腹黒キャラ……派手な着物で変なことばかり言ってるんだから(笑)。僕もあのオレンジの着物を着た瞬間、落語家から「笑点のたい平」に変身するんですよ。その切り替えが、人を喜ばせるということで大切なのかな。
ふなっしー ふなっしーも「喜ばれるうちは」って思いがあるなっしな。
たい平 結局二人とも喜ばれることがこの上なく好きという「キャラクター魂」を持って生まれたんだろうね。
ふなっしー ある意味、お調子者とも言えますなっしな!?
たい平 そうとも言う!(笑)
ふなっしー でもここまでキャラクターが日本の文化になったら、これを世界に広めたいなっしー。今キャラクター同士で「CHARAMEL(キャラメル)」というバンドをやっていて、この夏も全国を回るんだけど次の目標は……マジソンスクエアガーデンでライブとかやりたいなっしなー。
たい平 おお! 可能性はあるよ。
ふなっしー そう。以前「武道館に立つのが目標」と言った時は、周りから失笑されたけど結局実現しちゃったから。言ってれば叶うかもなっしなー。
たい平 僕も体の続く限りは「ふなっしージャンプ」を飛び続けるよ。それが子どもたちが落語に親しむきっかけになればうれしいし。だからふなっしーも変わらずに、いや……歳とともに変わってもいいかもしれないね。
ふなっしー 年齢と共に杖をついたり、車椅子に乗ったり。高齢化社会の光になれるかもしれないなっしな!?
たい平 いいねぇ! 笑点メンバーもお茶の間と一緒に歳を重ねているんだから、歳を取るマスコットキャラクターだっていてもいい。子どもだけでなくお年寄りにも夢を与えられそうだね。
ふなっしー よ〜し、が……がんばるなっし〜!!!(しわがれ声で)
林家たい平(はやしや・たいへい)さん●1964年生まれ、埼玉県秩父市出身。武蔵野美術大学卒業後、林家こん平氏に入門。レギュラー出演中の『笑点』で披露するふなっしーネタが評判。
ふなっしー●マスコット・キャラクター。2011年、千葉県船橋市の名産品・梨をPRする非公認キャラ「梨の妖精」として誕生。CHARAMEL夏のツアー『NASSYI FES.』が、8月2日市川文化会館より開始。
『クロワッサン』999号より
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