どう摂るとより効果的? 「豆」の栄養学。
健康によい食材も食べ方ひとつで効果は変わってくるもの。知っておきたい栄養の基本を押さえておきましょう。食物学専門の佐藤秀美さんに話を聞きました。
撮影・黒川ひろみ 文・井上健二
大豆の たんぱく質は 量・質ともに 肉や魚に匹敵。
たんぱく質が多い豆の代表が大豆。畑の肉の異名どおり、そのたんぱく質は量も質も肉や魚に匹敵する。まずは量。大豆100g当たりのたんぱく質の量は15g前後で、肉や魚と遜色がない。質の面でもたんぱく質は20種類のアミノ酸からなり、うち9種類は体内で合成できない必須アミノ酸。その必須アミノ酸をバランスよく含む大豆は、質を評価するアミノ酸スコアが肉や魚と同じ100点満点。米にもたんぱく質は入っているが、必須アミノ酸のリジンが少ないためアミノ酸スコアは低い。
「大豆はリジンが多いので、ご飯に味噌や納豆などの大豆食品を組み合わせると、米のたんぱく質の体内での利用率が高まります」
鉄とカルシウムの 吸収を上げるためには。
食べ物からの栄養摂取を考える際は、栄養成分がどれだけ含まれているかという含有量に加えて、その吸収率にも目を向けるべき。含有量が多くても吸収率が低すぎると、体内での利用率が下がることに。総じて豆などの植物性食品のミネラルの吸収率は、動物性食品と比べると、残念ながらそれほど高くはない。
「豆などの植物性食品中の鉄やカルシウムの吸収率を高めるには、魚や肉のような動物性たんぱく質や緑黄色野菜などに多いビタミンC、牛乳やヨーグルトの消化過程で作られるCPP(カゼインホスホペプチド)が役立ちます」
豆料理に、これらの食品を組み合わせると、鉄とカルシウムの不足が補いやすい。
03 / 04
広告