【大久保・新大久保で味の世界旅行】コリアンタウンが変化!新勢力のベトナムに注目。
撮影・村上未知 文・嶺月香里 マップ製作・竹中聡司
コリアンタウンとして知られるこのエリア。かつてロッテの工場があって韓国料理店や食材店が増えたというが、住んでいる韓国人は意外と少なく、実はいろいろな国の人が集まる多国籍地域。特に近年目覚ましいのは、ベトナム料理店の進出だ。2011年、最も早く大久保で店を開いた『ベトナムちゃん』のオーナーに話を聞くと、新宿~大久保間に語学学校が約50軒も開校し、ベトナム人留学生が急増したとのこと。また、日本では手に入りにくいハーブなど輸入食材を扱う店も多く、週末には遠方からも多くのベトナム人が遊びに訪れるという。’18年、在留ベトナム人は前年比31%以上も増加(法務省調べ)、国別で見ると中国、韓国に次いで第3位に浮上した。今後もベトナム化は加速するといえそう!?
日本人の女性オーナーが経営する、カフェのようにかわいくて味も良い『ベトナムちゃん』のほか、ほとんどが留学生で席が埋まる『リスちゃん』や、バインミー専門の『バミ オーイシ』、フォー専門店など店のスタイルも百花繚乱で、あちこち食べ歩く楽しみも。
ベトナムちゃん
かわいいけれど本格派。ホーチミンの魅力を実感。
大久保駅から徒歩1分だが、ベトナムの路地裏にありそうな隠れ家風の佇まいで、期待も高まる。ベトナムで10年暮らした女性オーナーが、南(ホーチミン)の料理を伝えたいとオープン。牛骨からとった贅沢なスープでいただく〈牛肉しゃぶしゃぶフォー〉が名物で、クリアで濃厚なスープをひと口すすれば、丁寧な仕込みや手間暇かけた調理をしていることがすぐわかるはず。ベトナムに住んでいた時に出合い、感性に響いた料理を再現していて、珍しいベトナムワインも揃えている。かわいらしい内装の清潔感あふれる空間で、居心地も抜群。
東京都新宿区百人町1-19-17 フラッツT1F TEL.03-3365-0107 TEL.11時30分~15時(14時15分LO)、17時30分~23時(21時45分LO) 無休 ※夜は予約推奨(1カ月前から受付)。
リスちゃん
ベトナム人留学生に人気のちょっとマニアな料理店。
自転車販売で人気を集めたおこわ&チェーの実店舗がオープン。開店してまだ2年だがベトナム人留学生や社会人の常連客で終日にぎわっている。店主が故郷から持ってきた専用の蒸し器で8時間かけて作るおこわが名物で、揚げねぎや干し豚、煮卵や煮豚をトッピング。青いバナナを使った北地方のスープや、バイ貝のビーフン、ベトナム風のハムやモツの盛り合わせなど珍しい地方料理の味も楽しめ、「実家を思い出す」と懐かしむベトナム人も多いそう。日本のよくあるベトナム料理に飽きたら、ぜひ足を運んでほしい、リアルなベトナム食堂。
東京都新宿区大久保1-7-21 TEL.03-6321-2693 営業時間:11時~23時30分(23時LO) 無休 ※おこわなど、一部テイクアウト可。グランドメニューは昼夜OK。
BAMIOISHI(バミオーイシ)
ハノイのバインミーを日本で食べられる口福。
バインミー(ベトナム風サンドイッチ)というとお隣、高田馬場の有名店を思い浮かべる人も多いが、ここ大久保にも隠れた名店あり。ハノイの実家もバインミー屋さんだという店主が開いた専門店で、皮が柔らかくふかっとしたフランスパンは、実家と同じ味を追求して店で焼いたもの。ベトナム人の職人が厨房で作るレバーパテなど中身も本格派。あふれんばかりに具がたっぷり挟まれていて、甘酸っぱい紅白なます、パクチー、甘くてピリ辛なチリソースがいいアクセントに。抹茶など10種のフレーバーが選べるタピオカドリンクと一緒にどうぞ。
東京都新宿区百人町2-23-5 TEL.080-6734-1368 営業時間:11時~22時 無休 ※テイクアウト可。店内はカウンターのみ。店先(外)にベンチ2席。
『クロワッサン』995号より
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