サントリーの缶コーヒーBOSSの「宇宙人ジョーンズ」シリーズや、トヨタ自動車の「こども店長」など、数々の人気CMを生み出している、CMプランナーの福里真一さん。今も年間50本以上のCMを手がけている売れっ子だ。多忙を極める昼夜逆転の生活と思いきや、
「毎日7時間は寝ています。生活も規則正しいですよ。朝の10時から12時まで、喫茶店で企画を考えるのが日課です」
『HIGASHIYA』の丸ボーロとの出合いは、前の住まいから歩いてすぐの場所に店舗があったことがきっかけだった。
「お店にあったのを見つけて、試しに買ってみたんです。最初は『味がちょっと素朴すぎるかな』と思ったんですが、ひとつ食べ終わるともう1個食べたくなるような、クセになる味。素朴さが新鮮だったっていうことなんですかね」
以来、飲み会などに呼ばれたときの手みやげとして多用している。
「手ぶらでご馳走になるのも気が引けるし、とはいえそんなに大げさにもしたくない。この丸ボーロは5枚くらい、いい感じで不織布に包んであるので、『心ばかりのお礼です』と渡しやすいんです」
20代の頃は、人と違う、尖ったCMを作ろうとしたものの、企画が全く通らなかったという福里さん。転機となったのが、30代で作った缶コーヒー、ジョージアの「明日があるさ」という親しみやすい雰囲気のCMキャンペーンだった。
「素直な気持ちで、皆が受け入れやすいものを作ろうと思ったんです」
結果、CMは大ヒット。ドラマ化・映画化され、歌は紅白歌合戦でも歌われるなど、社会現象になった。
「僕自身、格好つけすぎたり小洒落すぎているものは、実はそんなに好きじゃない。この丸ボーロも、自分が作りたいCMも、“親近感があるもの”という意味では共通しているのかもしれません」