先のこと…ではありません! どうする?どうなる?「親のお金」。
お互いに言い出しづらい話題、「親のお金」のこと。しかし先送りすることにメリットなし。専門家に話を聞きました。
イラストレーション・山下カヨコ 文・板倉ミキコ
「相続では揉めないほうがレアケース」と税理士、社会保険労務士の中島典子さん。家族が亡くなるのは、誰しも経験すること。そして亡くなった人の財産や債務を受け継ぐ相続は、人が亡くなった瞬間から始まる。
「財産の多少に関係なく、相続はすべての人に関わってきます。なんの苦労もせず、お金が上から降ってくるような状況なので、貰えるものは貰おうと人が変わってしまうのも仕方ありません。また、相続に関わる人の状況や気持ちもそれぞれなので、財産を公平に分けることはほぼありえないのです」
“相続の揉め事は3Kから起きる”とは、中島さんが経験上作った造語。
「『感情』『環境』『勘定』の3つのKが問題を複雑にしています。相続という場で、長年きょうだい間などで鬱積していた感情が噴出し、今自分が置かれている環境、そして相続する財産の勘定が絡み合い、相続が“争続”という揉め事になってしまうのです」
揉めるといっても程度があるが、こじれると肉親であるがゆえに厄介な展開になりがち。喧嘩別れとならないよう、できれば親も自分も元気なうちに相続の話し合いを始めたほうがいい。
わが家はいくら? ざっくり計算!
自宅の土地はいくら?
自宅の家屋はいくら?
土地は親に確認せずとも路線価から計算できる。一方、家屋は毎年市区町村から送付される納税通知書の固定資産税評価額を使用。
01 / 02
広告