「最初は起業するつもりはなかったんです。茶道のワークショップを開くのに許可がいるか、品川区のチラシで見つけた武蔵小山の創業支援センターに聞きに行ったところ、開業届が必要で。申請したら、『起業となります』と伝えられ、自分でも驚いたほど(笑)」
と語るのは5年前、52歳のとき、正座をしなくても気軽にできるテーブル茶道「有結おもてなし茶の湯」を起業した神林浩子さん。11歳で茶道を始め、結婚後の25歳で宗徧流の教授職・看板の許状を取得。子育てのために稽古を休止したが、45歳のときに父親の介護をしながら茶道を再開。そして介護と子育ても終わった51歳から52歳にかけて、「このままでいいのか」「何か好きなことで社会に貢献したい」「人生最後までできる仕事は?」と考えたとき、自分には「茶道」だと思ったという。