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【節約習慣】貯蓄法や保険なども古い常識を捨て、お金の新習慣を身につけて。

贅沢はしていないのにお金が貯まらないのは、日頃身につけた習慣のせいかも。経済ジャーナリストの荻原博子さんと一緒に、具体的な「悪習慣」を見直します。

撮影・黒川ひろみ イラストレーション・イオクサツキ 文・寺田和代

(!)個人年金に入っている。

従来型、変額型ともに目減りする可能性大。

公的年金の「100年安心」が崩れる不祥事が続くなかで、民間保険会社の個人年金への加入が増えているそうだ。

「個人年金には大きく2タイプあります。一つは契約時に約束した年金がもらえる従来型。もう一つは運用次第で額が決まる変額型。前者は、今加入したら運用利回り(予定利率)が低すぎて老後までほとんど増えません。しかも年金の受け取りはかなり先。30年後はインフレでラーメン1杯が1万円になっているかも。実質的に目減りする可能性大です。後者は運用手数料が高すぎてこちらも目減りする可能性が高い。つまり個人年金はほとんどが老後までに目減りしそう。経済的安心を望むなら、年金加入より借金返済を第一に」

【節約習慣】貯蓄法や保険なども古い常識を捨て、お金の新習慣を身につけて。

(!)子どもの教育費を “聖域”だと思っている。

習い事や私立受験より、家計の適正を重視して。

子どもに数多の習い事をさせたり、家計の収支に合わない教育プランを組んでいる人も多い。

「私立の中高一貫校に入れることが子の才能を伸ばすことだと思いこんでいる親は、大金持ちならいいですが、一般家庭では子どもの大学卒業時までに、出費のあまり家計が息切れします。ちなみに中高が公立なら授業料は原則的に無料ですが、私立に行けば授業料だけで3年間で約280万円。その他含めて500万円とも。私立にいったん入学したら学費の安い公立校への転校はままならないことも知っておいて」

大学卒業後も無職の若者が約1割という時代。子どもが〝家計の不良債権〟にならないように、親の見栄や思い込みの点検が重要。

【節約習慣】貯蓄法や保険なども古い常識を捨て、お金の新習慣を身につけて。

(!)夫の定年までに終わらない ローンを組んでいる。

繰り上げ返済で、年金生活の手前でローン完済。

老後破綻する人の最も大きな理由は重すぎる住宅ローン。

「今の住宅ローンは低金利で、返済は70歳までが主流。でも70歳までローンを抱えた生活は不安だらけ。65歳まで雇用が担保された会社員も60歳で給料はガタンと下がる企業がほとんどで、その先の再雇用は厳しい状況です」

住宅ローンの繰り上げ返済は下手な投資より将来を安定させる。

「たとえば3500万円を金利1・5%で35年借りると、利息額は約1000万円ですが、借り入れから3年後に100万円を繰り上げ返済すると、返済総額は約160万円も減ります。100万円投資して160万円になるものなどありません。年金生活前にローンは払い終えるのが安心老後の条件」

【節約習慣】貯蓄法や保険なども古い常識を捨て、お金の新習慣を身につけて。

(!)夫の小遣いを減らして やりくりしている。

月々の収支を夫に伝えて、家計を立て直そう。

不景気の今、家計の赤字から夫婦関係もギクシャクしがち。

「妻はついつい夫に『あなたの小遣いを減らす』と言ってしまいがちですが、これでは夫は家計のことに非協力的になるばかり。すべきことは逆です。まず、月々の収支を細かく書き出し、どれくらい赤字になっているか数字で示したものを夫に見せることが大事」

多くの男性は仕事で数字を見慣れているせいか、それだけで家計の実態を把握できる人が多いそう。

「その後おもむろに、『家計は大変だけど、あなたの小遣いは減らしたくない』と伝えることで、赤字減らしのタッグを組める。妻と夫、それぞれの視点を生かした節約計画が、生活の立て直しに直結します」

【節約習慣】貯蓄法や保険なども古い常識を捨て、お金の新習慣を身につけて。

荻原博子(おぎわら・ひろこ)●経済ジャーナリスト。1954年生まれ。家計経済のパイオニアとして、執筆、テレビ、講演など幅広く活躍。庶民目線のわかりやすい解説が人気。著書『払ってはいけない』(新潮社)が8万部を突破。

『クロワッサン』990号より

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