プロに聞く大掃除の準備。汚れの種類、洗剤選び、揃えたい道具を解説。
撮影・青木和義 文・板倉ミキコ
家の中にはびこる「汚れ」のレギュラーメンバー。
住まいの汚れは大まかに分けると左の4種類に。単独ではなく、複合で出来上がっている場合もある。どの汚れも最初は拭くだけで簡単に落ちるのに、時間が経つほど固まってこびりつく傾向が。
「汚れの性質に合わせて落とし方も変わります」(尾崎さん)
●油(皮脂含む)
調理中に油が飛散するコンロ周辺はもちろん、油を含んだ蒸気が生じるので、キッチン全体に油汚れは付着する。風呂場や洗濯機に溜まる皮脂も、油と同様の酸性の性質がある。
●ホコリ
家じゅうあらゆる場所に見られる汚れの代表格。カーペットや布団などから出る“綿ぼこり”が主で、肉眼で見えなくとも大量に空気中に舞っている。乾いた状態で取り除く。
●水垢
浴室やキッチンなど、水を使う場所で目につく水垢。水道水に含まれるカルキやカルシウム成分が乾燥して固まったもので、一旦こびりつくとなかなか落ちない厄介な存在。
●細菌系(カビ、ぬめり等)
水回りで細菌やカビなどの微生物が増殖するときに出す粘着物がぬめりの原因。悪臭を発することも。カビは発生すると根強く残り、健康にも悪影響を及ぼすので対策は必須。
何が何に強い? 「洗剤」の種類を整理。
軽い汚れは水で拭くか中性洗剤で充分。それでは落ちない汚れは、種類に合わせた洗剤を選ぶこと。
「油や皮脂などが酸化した汚れにはアルカリ性洗剤を、水垢や排泄物などアルカリ性の汚れには酸性洗剤を使いましょう。洗剤のパッケージの表示を確認して購入を」
●中性
界面活性剤は油と水を同化させることで汚れを落とす。合成洗剤の中でも刺激は弱く、食器用洗剤や浴室用洗剤など、使用範囲は広い。素材を傷める心配もほとんどない。
●弱アルカリ性・アルカリ性
主に油汚れを落とすために使用。強力な油汚れに力を発揮するアルカリ性洗剤は、レンジ周りなどで使うことが多い。一方、弱アルカリ性洗剤は若干マイルド。中性洗剤で落としきれない部分や住宅用洗剤として、なかでも重曹やアルカリ電解水はキッチン周りにも安心。風呂場のカビ取り等に使う塩素系洗剤も含まれる。
●酸性
家庭用洗剤の中でも強力。トイレの尿石、黄ばみなどアルカリ性の汚れを落とす。刺激が強く、使う際は手袋を着用。塩素系洗剤と混ざると有毒な塩素ガスが発生。取り扱い注意。
広告