コンサートツアータイトルにもある『Teatro Clásico』とは、スペイン語で「クラシック劇場」という意味を表しています。
しかしながら、宮原浩暢(バリトン)、佐藤隆紀(テナー)、日野真一郎(テナー)、佐賀龍彦(テナー)のメンバー4人が10周年を祝うコンサートで披露したのは、クラシックの真骨頂とも言えるオペラ、イタリア歌曲、カンツォーネをはじめ、日本人にも親しみのある映画曲、ポピュラーソング、そしてロックといった多彩なジャンルの音楽でした。
音楽大学出身の彼らは、各々の声の個性を活かしながらも、時には楽曲ごとにリードするメンバーが入れ替わることもあります。
しっとりとした魅惑的な歌声、激しく情熱的な歌声、軽やかで明るく勇気づけられる歌声……そしてどの演奏曲にも必ず共通することは、4人揃っての厚みのあるハーモニー! 歌声が会場全体を一つにまとめていたのがとても印象的でした。
コンサートの曲順はアルバムとは異なる構成。あの有名なクラシック音楽をテーマとしたテレビドラマ・アニメ、実写映画のテーマソングでも用いられた「ラプソディ・イン・ブルー」からはじまり、メンバー日野真一郎が作曲した「FLEUR~花~」を加え、音楽のジャンルごとに分けた曲順で披露され、時に愉快なMCをはさみ、観客の心をグッと掴んでいました。
一つの楽曲が終わるごとに、会場に包まれていく空気は優しさと温かさが増していき、それはグループ名の由来でもある“柔らかく、上品で滑らかな生地、「Velvet」(ヴェルヴェット)”そのものを感じるかのよう!