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詳しくなくてもハマっちゃう、ピエール・ボナール展。

取材・撮影/クロワッサン オンライン編集部

入り口では〈黄昏(クロッケーの試合)〉の巨大モニュメントがお出迎え!
入り口では〈黄昏(クロッケーの試合)〉の巨大モニュメントがお出迎え!

現在、国立新美術館で開催中の「オルセー美術館特別企画 ピエール・ボナール展」。この秋、楽しみにしていた展覧会のひとつです。

今回のボナール展では「日本かぶれのナビ」という異名を取っていたことにフィーチャー。最初の章では縦長の構図や、平板な色面構成に、浮世絵の影響が顕著に現れた作品を展示しています。

〈庭の女性たち〉
〈庭の女性たち〉
左〈大きな庭〉・右〈ブルジョワ家庭の一家の午後 あるいはテラス一家〉
左〈大きな庭〉・右〈ブルジョワ家庭の一家の午後 あるいはテラス一家〉
〈乳母たちの散歩、辻馬車の列〉
〈乳母たちの散歩、辻馬車の列〉
〈庭の女性たち〉
左〈大きな庭〉・右〈ブルジョワ家庭の一家の午後 あるいはテラス一家〉
〈乳母たちの散歩、辻馬車の列〉

特に〈庭の女性たち〉は、先ほど触れた平面的構成、身体の立体感に合わせず、装飾的に描かれた衣装が浮世絵、縦長のカンバスは掛軸を意識していると言われているんだそう。
こんなに日本に影響されていると言われると、日本人としてちょっと、いや、かなり嬉しくなってしまいます。

さて、ボナールと言うと「ぼんやりした絵の人」という印象を持っている人が多いと思います。そのぼんやり、ボナール曰く「視神経の冒険」。
「視神経の冒険」とは、目がとらえた形や色がものとして意味をなす前、脳に届く前の視点が定まるまでの状況を描いているため、ぼんやりとしているんだそう。
ぼんやりの裏側に繊細な冒険が繰り広げられていたなんて。実は……この展覧会に来るまで、ボナールについてあまりよく知らなかったのですが、すっかりボナールの魅力にハマってしまいました。

この色彩の豊かさも会場で味わってもらいたい。左:〈水の戯れ あるいは 旅〉 右:〈歓び〉
この色彩の豊かさも会場で味わってもらいたい。左:〈水の戯れ あるいは 旅〉 右:〈歓び〉

展覧会の見所のひとつである、動物が書き込まれた作品。
猫と4匹の犬を飼っていたということもあって、動物が活き活きしているように見えてきます。白猫かわいいぞ……!

左:〈静物:皿と果物 あるいは桃を盛った鉢〉 右:〈猫と女性 あるいは 餌をねだる猫〉
左:〈静物:皿と果物 あるいは桃を盛った鉢〉 右:〈猫と女性 あるいは 餌をねだる猫〉
〈食卓の母と二人の子ども〉
〈食卓の母と二人の子ども〉
左:〈静物:皿と果物 あるいは桃を盛った鉢〉 右:〈猫と女性 あるいは 餌をねだる猫〉
〈食卓の母と二人の子ども〉

そのほかにも、リトグラフやスナップショット、ボナールにとって重要な位置を占める裸婦の作品など、ボナールを余すことなく堪能できるまたとないチャンス。ボナールのことをよく知らなくても、この豊かな色彩に引き込まれること間違いなしです。
ハロウィンの10月31日(水)では、猫のアイテムを身につけて来館すると、当日券が100円割引になるイベントも開催。芸術の秋、ぜひ足を運んでもらいたい展覧会のひとつです。

10月10日発売の雑誌『クロワッサン』983号の特集「知れば知るほど、名画は楽しい。」の「この秋見るべき展覧会18選。」でもピエール・ボナール展をご紹介しています。ぜひ、こちらもチェックを。

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