ヨーロッパの田舎で小さなホテルを営むマルタとその母親は、憧れの暮らしを夢見て、ホテルの客を殺し金品を奪っていた。二人の前に、ある日、秘密を持つ男性客が現れて……。
ウクライナの町で実際に起きた殺人事件に着想を得て、アルベール・カミュが1942年から43年にかけて執筆した戯曲『誤解』。1951年に文学座で日本初演された”悲劇”が、文学座の新鋭、稲葉賀恵さんの演出で再び世に問われます。いま、なぜこの作品を上演するのか、翻訳を担当した岩切正一郎さんはリリースに寄せたメッセージで「閉塞、息苦しさ、 本来いるべきではない所へ追放されている感覚。それを見つめ、反抗するために」意義が大きいと述べています。
殺人を繰り返す母娘を演じるのは原田美枝子さんと小島聖さん。
ナチ占領下のパリで初上演された「古典」が、21世紀の日本でどのように受け止められるのか。歴代最年少で新国立劇場演劇部門の芸術監督に就いた小川絵梨子さんのシーズンオープニング作品に注目です。