お花写真家に教わる、イメージ通りに花をいけるための3つの基本。
部屋に花があるだけで、なぜか心は安らぎ、余裕が生まれる。センス良く生けるための器使いと基本のルールを教わった。
撮影・三東サイ 器・安部太一
[まとめすぎない]アレンジでも大事にしたいのは、自然の、奔放なニュアンス。
多種類の花を合わせるアレンジも、ポイントはまとめすぎないこと。山や野にある姿を大切にして作るとセンスの良さが感じられるものに。
「上のアレンジなら青〜紫のグラデーションで作ると決め、同じ種類を1カ所に固めず、あえてランダムに配置。同系色で合わせる場合は1つ、濃い色を入れると締まります」
今回はギリアの濃い青紫で。一方、下のアレンジは同種類の花は固めて配置した。だが、双方ともどこにも面は作らず、高低や長短をつける。そのリズムが自然な感じを醸し出す。
「初心者は面を作りがちですが、きちっと揃った面は自然界ではあまりないはず。デコボコでも非対称でも充分きれいなアレンジに」
花がしおれたら摘んだ草花を足したり、ドライフラワーにしてもいいが、「落ちた花びらもそのままにして、変化自体も楽しんでほしい」と椿野さん。花は無限に与えてくれる。
花を種類でまとめず、野にあるように自由な、立つアレンジ。
こちらは花の種類ごとにまとまりを作るアレンジ。
椿野恵里子(つばきの・えりこ)●お花写真家。’74年、兵庫県生まれ。自然の光を大切に、フィルムで撮影した季節の花と果実の写真に文章を添えたカレンダーを製作。HP風景のあと huukeinoato.jp
『クロワッサン』974号より
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