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アクセサリーをとり去ってみると、首すじのあたりがもっときれいに――原由美子(スタイリスト)

1977年創刊、40年以上の歴史がある雑誌『クロワッサン』のバックナンバーから、いまも心に響く「くらしの名言」をお届けする連載。今回は、マガジンスタイリストの草分けとして知られる、あの方の言葉が登場です。

文・澁川祐子

1977年6月号「原由美子さんの徹底研究」より
1977年6月号「原由美子さんの徹底研究」より

アクセサリーをとり去ってみると、首すじのあたりがもっときれいに――原由美子(スタイリスト)

原由美子さんは、終戦の1945年生まれ。1970年に女性誌『アンアン』の創刊に参画し、雑誌スタイリストの草分けとして、戦後日本のファッションを牽引してきた人物です。

創刊2号目では、そんな原さんのスタイリング術を「徹底研究」と銘打って特集。「大人のカジュアル入門」というサブタイトルで、原さん自身のふだんのコーディネイトを紹介し、さらに読者モデル2人を実際にスタイリングしながら、着こなしのアドバイスをしています。

定番のブレザーをカッチリ着るのではなく、袖を折るなどしてラフに羽織る。ワンピースのように簡単に着られるシャツドレスは無地を選んで、小物で着まわす。ベルトはウェストできゅっと締めずに、長めのものや二重ベルトを買ってゆるく腰に巻く。誌面には、定番アイテムをドレスダウンするテクニックが随所にちりばめられています。

なかでも目を引いたのは、サマーニットを着るとき、思い切ってアクセサリーを取ってみてはという提案。ニットはゆったりめのものを選び、<肌ざわりのいい自然の素材で、素肌に直接、肩だけで着る感じ>で、ネックスレスはなし。そのほうが肌とうなじがきれいに見え、首の太さや短さも気にならないと語ります。

首まわりが空いていると、つい寂しく感じてネックレスをしてしまいがち。でも、原さんはそんなときこそ「何も身につけない」という選択肢があると教えてくれます。思い込みから一歩引いてファッションを自由に楽しもう、という気持ちにさせてくれるひと言です。

※肩書きは雑誌掲載時のものです。

澁川祐子(しぶかわゆうこ)●食や工芸を中心に執筆、編集。著書に『オムライスの秘密 メロンパンの謎』(新潮文庫)、編著に『スリップウェア』(誠文堂新光社)など。

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