実は私、若い頃からちょっとだけカメラ好きでして、一眼レフカメラで写真を撮りはじめて25年くらいになるのですが、5年ほど前、コンデジと一眼の2台持ちで旅したヨーロッパであまりの荷物の重さにギブアップ。結構使い倒したお古だったこともあって、お世話になったお礼に現地在住の友人に一眼レフのほうをプレゼント、というか、押し付けてしまったのでした。その頃すでにコンデジのクォリティはすごく高くなっていて、一眼レフはもういらないかなーなどとうっすら思ったりもしていたのです。
久しぶりに過ごす一眼レフのない生活。特に困ってなかったはずなのに、1年もすると「離れてみてやっと気づいた……。私にはやっぱりあなたが必要なの!」みたいな気持ちになるから不思議です。恋か。
その後、色々と一眼レフを物色し始めたのですが、当時最も気になったのがフルサイズ一眼で世界最軽量を実現したCanon EOS6D。大きな買い物なのでまずはレンタルして撮影テストすると、にじんだような質感のしっとり写真が超簡単に撮れる優秀さ。買うか! と一瞬盛り上がるも、すでに発売から3年近く経っていたのが気になる。Mark IIが来年あたり出ちゃうんじゃないの?
家電量販店のカメラ売り場で、店員さんに「これ、近々次世代機が出ませんかね」と聞いてみると、「噂では来年あたり出るみたいですよ」という答え。じゃあ待とう ⇒ あれ?出ない ⇒ 量販店に行く ⇒ いよいよ来年くらいじゃないですか ⇒ じゃあ待とう ⇒ あれ、出ない、を繰り返し、なんと2年以上も待ってしまったのです。
というわけで、去年発表された時は走って買いに行ったのですが、まさかのボディだけで20万超え。あんなに待ち焦がれていたのにさすがの値段にひるんでしまい、ちょっと下がるのを待つことに。ガチのカメラマニアじゃないので、これぐらいの薄情さは許してください……。
そして、店によってはボディ価格が16万円台になってきたこの春、ようやく3年越しの恋を実らせた私。レンズ沼の金銭感覚では「タダのようなもの」だという1万円台のレンズを買って、ふたたび一眼レフカメラと暮らす生活をスタートさせたのでした。
ちなみにさっきから連呼している「フルサイズ」とは、一眼レフカメラの大事なパーツ、「イメージセンサー」のサイズのこと。大きく言って「フルサイズ」と「APS-C」という2つの種類があり、キャノン公式サイトによれば、フルサイズのほうが「面積が広い分、より多くの光・多くの画像情報を取り込むことができます。多くの光を取り込めるということは、それだけ色の明暗や濃淡を繊細に再現することができ、ノイズの少ない滑らかな描写が可能になる」とのこと。その分料金もぐっと高くなります。
ちょっと前まではフルサイズ一眼レフは「漬物石?」というくらい重くて巨大で、カメラがちょっと好き程度の私にとっては完全に購入検討対象外。それがここ数年でぐっと小さく、軽くなって、これなら思いきってキレイに撮れるほうを買っちゃおうかな、くらいの身近な存在になってきていたのでした。
それでも一般的なデジカメに比べたら大きいのですが、APS-Cの一眼を持っている女友だちに見せびらかしたところ、「フルサイズって今こんなに軽いの!?」とみな驚愕。「手持ち夜景」とか「風景」「ポートレート」など、シーンを選べばカメラが勝手に最適な設定にしてくれる、デジカメチックな機能もあるので、「露出とかホワイトバランスって……?」みたいな素人もまぁまぁ安心。ベテランだけじゃなく、ちょっとキレイな写真を撮ってみたいという一眼レフ一年生にもおすすめなのです。