おいしいもの好きは、旨いバターを知っている。バターを愛する10人のおすすめはこちら!
撮影・小林キユウ 文・河野友紀
7. 奥出雲木次バター
栄養成分や風味を損なわないパスチャライズ製法(低温殺菌)の牛乳を使った、やさしい風味が自慢。「口当たりはさっぱり、でも生乳の香りが高くキレイなコクがある。焼いたパンにはちみつとともにのせ、バターが冷たいうちに食べるのが好き」(冷水希三子さん)
8. ボルディエ 有塩手作りバター
木べらで何度も折り込むように成形するので、層が幾重にもなったような独特の食感と、奥深く芳醇な風味が特徴。「フレッシュでミルキーな味わいが、イギリスパンなど水分少なめのパンによく合います。もはやバターを食べるくらいと思うくらい厚切りにし、トーストにのせていただくのが好みです」(坂田さん)
9. カルピス(株) 特撰バター(食塩不使用)
乳酸菌飲料「カルピス」を作る工程でできる乳脂肪分から生まれたのがはじまり。クリーミーなコクがありつつ、スムーズに溶けていく口当たりは、一流シェフからの評価も高い。「厚めに切ってトーストにのせ、りんごジャムとシナモンパウダーで食べるとおいしい。クリーム状に練ってラムレーズンを加え、バゲットに挟むのもおすすめ」(吉川文子さん)
10. べつかいのバター屋さん
北海道の大自然の中で育った乳牛から搾られた生乳を原料とした、手作りバター。「バターミルクの飴を食べているような、優しい甘み。ポーションが小さめなので、新鮮なうちに使い切れるのもいいところ」(モコメシさん)
11. よつ葉発酵バター(食塩不使用)
北海道の生乳を原料とした、強いミルク感が魅力の発酵バター。バター愛好家からの評価が非常に高い品。「ライ麦入りなどのパンを軽めに焼き、薄切りにしたバターをのせて粗塩を振る。はちみつをかけても美味」(長尾智子さん)。「その日の気分で好きな塩をのせ、自家製有塩バターにして食べるのがお気に入り」(猫沢さん)
12. 高千穂発酵バター(食塩不使用)
原料は九州産の生乳を100%使用。生乳から分離して得られた生クリームに厳選された数種類の乳酸菌を添加して発酵させ、少量ずつ丁寧に作られる。水分が少なく、コシのある質感と口当たりの良さを持つ。「コクがありながらしつこすぎず、適度にさっぱりした味わいです。にもかかわらず、香りが高いところがポイント」(イイノナホさん)
長尾智子(ながお・ともこ)●フードコーディネーター。近刊は『食べ方帖 自分を養う毎日のメニュー』。通販などお知らせはこちら。vegemania.com
猫沢エミ(ねこざわ・えみ)●ミュージシャン、文筆家。1970年生まれ。フランス語講座『にゃんフラ』を主宰、2匹の猫、ピガピンジェリ(兄)とユピテル(弟)と暮らす。著書に『東京下町時間』『フランスの更紗手帖』ほか。4月13日には東京・ティアラこうとうにてEmi Necozawa&Sphinxのライブを行う。
サルボ恭子(さるぼ・きょうこ)●料理研究家。素朴で豊かなフランスの家庭料理を得意とする。主宰する料理教室は満員御礼。著書も多数。フランス人の夫はバゲット派。
冷水希三子(ひやみず・きみこ)●料理研究家。素材に真摯に向き合い、季節感あふれる料理を提案。料理教室を主宰し、フードコーディネーターとしても幅広く活躍中。
坂田阿希子(さかた・あきこ)●著書・TV出演多数。『バゲットが残ったら』(グラフィック社)では42種類のバゲットレシピを紹介。最新刊は『CAKES』(NHK出版)。
吉川文子(よしかわ・ふみこ)●お菓子研究家。自宅で洋菓子教室「クグロフ」を開く。国内外のパティシエにも師事。著書に『バターを使わないコーヒー、紅茶、日本茶のお菓子』(文化出版局)ほか。
モコメシ●フードデザイナー。ケータリングでもパンを多用する。著書に『大人もサンドイッチ 人気ケータリング店の美味しい具材と組み合わせ』(グラフィック社)が。
甲斐みのり(かい・みのり)●文筆家。旅や食、ホテルや雑貨等に関する執筆多数。著書に『地元パン手帖』(グラフィック社)、共著に『パンのペリカンのはなし』(二見書房)など。
イイノナホ●ガラス作家。4月28日〜5月20日、大阪の「ハウス・オブ・トビアス・ヤコブセン」にて、シャンデリアや灯りをテーマにした展覧会『ベリースイート』を開催。
福田里香(ふくだ・りか)●菓子研究家。新刊『新しいサラダ』(KADOKAWA)が好評発売中。野菜料理全65点のレシピを紹介。写真はすべて福田さんがiPhoneで撮影したとのこと。
『クロワッサン』971号より