くらし

フードスタイリスト・野口英世さんが愛用する「これは私の手の一部」という道具たち。

  • 撮影・三東サイ 文・河野友紀

先端の細さで食材を自由自在に扱える。これ一膳で手早く美しい仕上がりが可能。

京風もりつけ箸 23cm 1,200円(市原平兵衞商店 TEL:075-341-3831)

鍋やフライパンの中で炒める、混ぜるといった調理は、トングと調理スプーンでほぼできてしまう、と野口さん。となると菜箸はどのように使う?

「主に盛りつけのときに使用するので、『市原平兵衞商店』の、もりつけ箸を愛用しています。軽くて握り心地がよいこの箸は、先端が細く、その直径は1.5mm程度。細かな作業こそ得意で、食材を狙いどおりに、でも優しく扱える。また、細かなものを炒るときには炒め箸として使うことも。手元側の端は斜めになっており、薬味をすくうヘラとしても活躍。カットが直線なのでボウルの縁などに密着し、しっかり擦り付けることができる。すくった薬味などが箸側に残ることもありません。しかしさすが江戸時代からの老舗が作る箸だけあって、長く使っても、曲がったり先が減ったりしないのも素晴らしい。これは28cmと23cmの長さのものを持っているのですが、より安定感があり小回りが利くのは短い23cmのもの。定番商品なので、すぐに買い換えられる安心感もいいですね」

持ち手側の端は、少量の調味料でもすくい取りやすい形状。「料理がスムーズに進みますし、洗い物が増えないのもいい」と野口さん。
干しエビなど、優しく扱いたい食材を炒るときには、この箸を使う。細かいものも手際よくひっくり返せるところが便利だそう。

野口英世(のぐち・ひでよ)●フードスタイリスト、料理研究家。著書に、愛用道具をレシピと紹介した『使いやすい台所道具には理由がある』(誠文堂新光社)がある。

『クロワッサン』969号より

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※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

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