鍋やフライパンの中で炒める、混ぜるといった調理は、トングと調理スプーンでほぼできてしまう、と野口さん。となると菜箸はどのように使う?
「主に盛りつけのときに使用するので、『市原平兵衞商店』の、もりつけ箸を愛用しています。軽くて握り心地がよいこの箸は、先端が細く、その直径は1.5mm程度。細かな作業こそ得意で、食材を狙いどおりに、でも優しく扱える。また、細かなものを炒るときには炒め箸として使うことも。手元側の端は斜めになっており、薬味をすくうヘラとしても活躍。カットが直線なのでボウルの縁などに密着し、しっかり擦り付けることができる。すくった薬味などが箸側に残ることもありません。しかしさすが江戸時代からの老舗が作る箸だけあって、長く使っても、曲がったり先が減ったりしないのも素晴らしい。これは28cmと23cmの長さのものを持っているのですが、より安定感があり小回りが利くのは短い23cmのもの。定番商品なので、すぐに買い換えられる安心感もいいですね」