くらし

危ないのは老後よりも「いま」? 損をしないお金の活かし方。

  • 撮影・岩本慶三 文・神舘和典

高額療養費制度を利用すれば、医療保険への加入は不要?

荻原 「営業マンの仕事はなに?」と常に考えましょう。客に売ってマージンを稼ぐのが営業マンの仕事です。

山崎 そう。優秀な営業マンと言われている人は手数料の高い商品を数多く売っている人。近づいてはいけません。

荻原 銀行の窓口で「今、どれを買ったらいいでしょうか?」と訊くのは、鴨がネギを背負って現れるようなもの。

山崎 「退職金の用途が決まっていないのですが、皆さんどんな商品に投資していますか?」は鴨がネギを背負って鍋に飛び込むような質問。「納得いくまで説明を聞きましょう」は「鴨は鍋から出るな」と言うのと同じです。

荻原 FPや税理士にも気をつけてください。保険の代理人のケースが多いので。最近は不動産を紹介してキックバックで稼ぐ人も増えています。

山崎 とにかく、自分に商品を売ることで利益を得る可能性がある人に、お金の相談をしてはいけません。どの金融機関とも関係がなくて商品を売ってこないFPならばいいけれど。

荻原 そういうFPは少ないですよ。金融機関と組まないと、なかなか生活していけませんから。同じ理由で、保険の外交員の話も聞いてはいけない。

山崎 生命保険に入るべき人は限られています。経済的にとても苦しい状況の家庭に子どもが生まれたら必要です。親が死んだら、子どもが路頭に迷いますから。ただし、掛け捨ての商品で充分。それから、相続対策が必要な場合です。生命保険金は法定相続人1人当たり500万円までは非課税なので。そのほかの人は生命保険はいりません。積立金が満期になると戻る商品もダメ。保険と運用を組み合わせて営業のマージンが大きくなっているだけです。

荻原 自営業で自転車操業、妻は病気がちで、子どももいる家庭には生命保険は必要です。ただし、ネット保険にするべき。昔ながらの外交員を通すスタイルは、マージンの分が高いので。ネットならば、自分に合ったものを組み立てられるようにもなっています。それから、独身で子どももいないのに保険に入るのは意味がない。死んだら保険料は使えませんから。

山崎 医療保険も入らなくていいと思いますよ。その分貯金したほうがいい。

荻原 現金で持っていれば、自由に用途が選べますからね。保険って“くじ”なんですよ。100人住む村があったとして、全員が毎年1万円ずつ払って、その年に1人死ぬと、その家の人が100万円もらえる。でも、なかなか当たらない。当たりたくもないし。

山崎 当たりが多いくじだったら、保険会社の経営は成り立ちませんからね。

荻原 保険を検討する前に、先ほど話した公的制度を知っておくべきです。高額療養費制度を利用すれば、月に100万円の医療費がかかっても、70歳未満で年収700万円の場合、自己負担8万7430円ですむ。70歳以上、あるいは年収が少なければ、さらに支払いは少なくなります。また、65歳以上には高額介護サービス費支給制度もあります。今支払っている健康保険や年金制度がどれだけのことをしてくれるのかを把握しておくべきでしょう。

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