片づけのやる気スイッチは、付箋を使えば簡単に入ります。
撮影・小出和弘
付箋を使った整理術の基本テクニック
【1】手帳を用意し、月間ページに予定を記入。
まず、手帳を1冊用意する。月間ページと週間ページがあるもので、そのどちらにも時間軸が入っているものを選ぶのがポイント。もし入っていなければ自分で書き入れてもOK。須藤さんのおすすめはA5サイズの6穴システム手帳だ。
「手帳を用意したら、まず月間ページを開きます。そこに、決まっている約束やスケジュールを記入しましょう。例えばコンサートに行くとしたら、コンサートのある日の欄の、該当する時間帯を四角で囲って“コンサート”と書き込みます。これで埋まっている時間、空き時間などがざっと把握できるんです。この日は予定が4つもある、と気が重くても、この方法で記入すると意外に短時間ですむ予定だとわかったり、夕方以降はなにもないなど、頭の中で一日の流れをシミュレーションできる。予定が把握できればあたふたしなくてすむし、余裕をもって行動することができます」
【2】「TO DO=やるべきこと」を付箋に書き出す。
【1】で、コンサートの予定を月間ページに書き込んだとして、それだけでは不充分。付箋の出番はこれからだ。そのスケジュールに付随した「TO DO」がある場合、それをひとつずつ付箋に書き出す。コンサートだったら会場を調べておく、チケットを用意、など。会議なら、●●について調べておく、資料を作成する、誰々に連絡する、など。これをすべて書き出す。もちろん、スケジュールに付随したこと以外にも、あれをしなくては、というものはすべて付箋に書き出しておく。
書き方にもコツがある。例えば椅子を粗大ごみとして出したい場合。
「椅子を捨てる」と書いてしまうと、どうやって捨てるのか、まずなにをするのかが可視化できないので先延ばしになってしまいがち。「粗大ゴミ券を買う」「市役所に電話して予約する」など、より具体的に書くことが大切だ。
「TO DO」をすべて書き出した状態が上の写真。
「1週間でこのくらいにはなるはず。頭の中にいつもひっかかっている『やるべきこと』をすべて可視化するのが第一歩です」
【3】週間ページの実行できそうな日に、付箋を貼る。
「TO DO」をすべて書き出したら、ひとつずつ週間ページに貼っていく。月間ページに記入されたスケジュールに関連すること、例えば家族旅行の前日、「行きたい店の地図を印刷しておく」とか「デジカメを充電する」など、日にちの決まっているものをまず貼る。次に、「歯医者を予約する」など日程や時間の決まっていない付箋を空き時間のありそうな日に振り分けて貼っていく。「考えすぎずに貼っていいんです。そのとおりにできない日は出てきますが、そんな時は付箋を剥がして次にやれそうな日に貼り直せばいい。それが付箋のいいところです」と、須藤さん。
「書き出した時点で、あれをやらなくては、と気にしている状態から一歩を踏み出したのです。こんなささいなこと、と思うことでも全部書き出しましょう。頭の中が整理され、スッキリした気分になります」
付箋がリマインダーの役割をしてくれるというわけだ。
【4】「やることシート」に残りの付箋を貼る。
ここまでやってもまだ付箋は残っているはず。「玄関の靴箱を整理する」「服の譲り先を探す」など、特に急ぎでない用事だ。これらの付箋は無理に日程を決めずに専用の「やることシート」を作り貼っていく。
透明ではないクリアファイルを手帳のサイズに合わせてハサミでカットして開き、左端に穴を開ける。太めのマスキングテープをシートの縦の長さに合わせて4本貼り、テープの右側を3分の1ほど裏に折り返した状態にすると、そこに付箋を挟み込むように貼ることができる。その左側にはカテゴリーを油性ペンで書いておく。この時に重要なのが、カテゴリーの分け方。
「タイミング別、場所別にカテゴリーを決めるのがおすすめです。外出した時にやる、PCでやること、家で時間がある時、家で5分でできること、実家に行ったら、職場で、などが私がよく使うカテゴリーです。こうしておくと、その時に合うカテゴリーだけを見ればいい。やらなきゃ、と思っていたけどわざわざ日程を組むほどでない、そんな用事はやることシートに貼っておけばなにかのついでにできるので便利です」
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