時間も手間もかけない、正しいだしの取り方。
撮影・岩本慶三 文・斎藤理子
水の中に昆布を入れ、フツフツしてきたら鰹節を入れて網で濾す。インスタントだしとの違いは、昆布と鰹節を入れ、濾す、絞る。この3つの工程だが、ほかは省略してもだしだけはきちんととってほしいと本田明子さん。
「この工程は時間にして合計1分というところ。このたった1分の手間を惜しむのは、本当にもったいないことです。味が驚くほど違うのはもちろんですが、だしの美味しい香りが家中に広がれば、家族全員が心から幸せな気持ちになり、もうそれだけでご馳走です」
ここで紹介する方法だと、一番だしと二番だしの中間くらいのちょっと濃いめのだしがとれる。これが家庭では一番応用がきくだしなのだそう。作り方は拍子抜けするほど簡単。時間も本当にかからない。そうやってとっただしで作る味噌汁はプロ並みに美味しい。
「週1回からでいいからだしをとることを始めてみてください。家庭料理の基本であるだしがあれば、日々のご飯はもっと美味しくなりますよ」
【味噌汁】だしの香る美味しい味噌汁があれば、毎日の食卓が豊かになる。
材料(作りやすい分量) 水5カップ、昆布5~10㎝、花かつおひとつかみ(20~25g)
*昆布を長い時間つけておくのが難しければ15分くらいでもOK。時間がなく、すぐに火にかける場合は、昆布を少し煮てもかまわない。味見をして、昆布だしが出ていれば取り出す。冬の寒い時季は一晩水につけておくといい。冬場は朝つけて、夜に使うのでも可。夏場(5〜10月)は、常温に放置するのはNG。冷蔵庫で保存を。その場合は場所をとるので、2カップくらいに昆布をつけ、使う時に残りの水を足すようにする。
豆腐と細ねぎの味噌汁
材料(2人分) 豆腐¼丁、だし汁2カップ、味噌大さじ1½前後、細ねぎ適量
豆腐はたっぷりの水にザブッとつけてから水気を切り、さいの目に切る。細ねぎは2㎝の長さに切る。
『クロワッサン』946号より
●本田明子さん 料理研究家/小林カツ代さんの一番弟子として、200冊近い料理本に携わる。自身の最新刊は『10分でおいしい!朝つく弁当』(学研プラス)。