朝ごはんが驚くほどラクになる。
前夜の簡単汁もの仕込み術。
味噌汁の出汁を前日にとったり、夕食の煮物をポタージュにしたり。ちょっとした工夫で、朝ごはんはもっとラクにおいしくなります。
「朝って、どうしてもバタバタするものですよね。うちも、子どもが生まれてからは、以前ほどゆっくりできなくなりました。でも、朝からちゃんとおいしいものを食べたい。そう思いながら暮らしているうちに、いつのまにか、ちょっとした小ワザのようなものが身についてきました」
和朝食、洋朝食のどちらもよく作る塩山家。和朝食には欠かせない味噌汁は、野菜たっぷりの具だくさんで、それだけでごはんのおかずになりそう。
「前日の夜に、出汁で野菜を煮ておいて、翌朝は味噌と豆腐などの具を入れるだけにしておくんです。時短になるだけでなく、一晩かけて野菜と出汁がよくなじんで、普通に作るよりもおいしくなりますよ。使う野菜は基本的に旬のものを、とは思っていますが、それ以外は特に決まり事は作っていません」
シンプルに味わっても充分おいしいが、具やトッピングを工夫することで、さらに何通りものレパートリーが広がる。毎朝起きるのが、少し楽しみになるかも?
味噌汁は野菜出汁と作り置きの具で、時短なのにていねいな味。
ダシをとる
塩山家の味噌汁の核となる、「野菜出汁」。一晩おくことで、出汁が野菜に染み込むとともに、野菜のうま味が溶けだしてゆく。味がまとまりやすくなり、一段上の味わいに。「煮物も、冷めるときに味が染み込んでいきますよね。同じ原理でしょうか」
前日の「野菜出汁」仕込み
当日は味噌と具を足すだけ
自家製味噌
豆と発酵を愛する塩山奈央さん。味噌は、1年に1回、まとめて仕込んでいる。「出来あがるまでに時間はかかるものの、仕込みの作業自体はけっこう簡単ですよ。確かに買ったほうが早いですが、昔から受け継がれてきた食文化が途絶えるのももったいない気がして」
お手軽「きのこ氷」
「我が家では、きのこの味噌汁が好きでよく食べるんですが、なめこなど、3人家族だと1回では食べきれなくって。余ったぶんは、冷凍して、使いたいときにいつでもポンと使えるようにしています」
製氷皿のほか、密封できる保存容器などを使用している。味噌汁のほか、スープなどにも。
チョイ足しねぎ油
いつもの味噌汁に、ちょっとした変化をつけたいときに便利なのが「ねぎ油」。カリカリした食感と香ばしい香りが抜群だ。ねぎを薬味として冷奴にのせたり、ねぎのうま味が溶け込んだ油でチャーハンを作ったり、味噌汁以外にも使える便利な一品。
◎塩山奈央さん 暮らし家/栃木県出身。食べ物・縫い物を通じて心地のよい暮らしを提供している。著書に『発酵食をはじめよう』(文藝春秋)など。
『クロワッサン』925号(2016年5月25日号)より
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