東京都美術館開館100周年記念『アンドリュー・ワイエス展』──生と死の境界を見つめるワイエスの絵
文・青野尚子
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1974年、日本で最初に開かれた個展で多くの来場者を集めたアンドリュー・ワイエス。2009年に亡くなったあとも不動の人気を誇る彼の、没後日本では初めての回顧展が開かれる。
ワイエスは1917年、アメリカ・ペンシルヴェニア州生まれ。同時代の画家たちがポップアートや抽象表現主義といった新しい表現を追い求める中、身近な光景を精緻な筆致で描く古典的な作風を貫いた。
今回の個展は5章から構成される。第1章では不安そうな表情を浮かべる《自画像》などが並ぶ。第2章は「光と影」というテーマの裏にある“生と死”を取り上げる。ワイエスは1945年に事故で父と甥を失い、その5年後には自身も手術中に死の淵に立つという経験をした。死は生とつながっているという彼の死生観は“無常”という概念にも通じるだろう。
第3章では脚が不自由なクリスティーナと彼女を支えた弟アルヴァロのオルソン姉弟が暮らしたメイン州のオルソン・ハウスが登場する。第4章では自宅の周囲など、彼が繰り返し描いた対象に込められたものを探る。第5章「境界あるいは窓」の作品には生と死を隔てる境界としての窓やドア、氷などが描かれる。しかしその境界は単に対立するものではなく、両者をつなぐもの、連続させるものとして位置づけられるものだ。
今回の個展には日本初公開となる作品も多い。静かな詩情ただよう画面に惹きつけられる。
東京都美術館開館100周年記念『アンドリュー・ワイエス展』
東京都美術館 4月28日(火)~7月5日(日)
この展覧会は東京都美術館の開館100周年を記念して開かれるもの。アメリカを代表する画家の精神世界を反映した絵画は改めて見るものの心に響く。
『クロワッサン』1164号より
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