【編集部こぼれ話・番外編】MUSIC AWARDS JAPAN 2025の愉しみ方
撮影、文・クロワッサン編集部
MUSIC AWARDS JAPANってなに?
「MUSIC AWARDS JAPAN」は、日本版グラミー賞となるべく、日本の音楽業界が総力を結集して新設した、日本初、最大規模の国際音楽賞。今年がその1回目です。コンセプトは「世界とつながり、音楽の未来を灯す」。いまや世界中から注目される日本の楽曲、アーティストたち。このアワードを通して、その動きをもっともっと加速させよう、世界に発信していこうというのが狙い。文化庁や経済産業省もこれをサポートした「国をも巻き込んで」のビッグプロジェクトなわけです。
この記念すべき第1回目の授賞式に立ち会う機会に恵まれました。これは、あまりにも楽し過ぎる体験でした。
醍醐味 其の1:レッドカーペット
会場入り口には、長~いレッドカーペットが。式典に参加するアーティストが代わる代わる登壇するとのことで、事前に渡されたそのリストの豪華なことったら。トップバッターの中島健人さんを皮切りに、YOASOBI、新しい学校のリーダーズ、Number_i 、NiziU 、Mrs. GREEN APPLEと、カラオケではもっぱら昭和縛りのこの世代でも、当然知っている錚々たるスターたちが次々に。ドレスアップした彼らを見られるのも眼福ですが、報道陣の問いかけに、自分の言葉をもって瞬発力で返すその様子も見どころ! それぞれお人柄が見える貴重な瞬間。誰もが少し緊張し、興奮を抑えきれない面持ちで「この場所に来られて光栄」、「他のアーティスのパフォーマンスが楽しみ!」と目を輝かせていたのが印象的でした。
中島健人
NiziU
岡村靖幸
Number_i
新しい学校のリーダーズ
菅田将暉
YOASOBI
その中で、特に注目を浴びていたのが、藤井風さん。日頃メディアに登場することが少なく、肉声に触れることもほとんどないせいか、どこか希少動物にでも出合えたかのような興奮と歓喜で、あちこちから「風さーん!」「風くーん!」の歓声が。報道陣も前のめりでシャッターを切りまくります。その声に応えるように、くるくるとポーズを変え表情を変えてみせる風さん。
京都での開催に「和装にしてくればよかった」と言いながらも、この日のために誂えたというセットアップに金太郎柄のシャツがよくお似合い。
メディアからのリクエストに応えて、名古屋や京都の印象をユーモアを交えて語ったり、海外メディアの質問に英語で答えたり、即興で歌ってみせたり。「藤井風」にしかない言葉で、思うまま自由にふるまうその様子は、多くのファンが待ち望んでいたものであったはず。
醍醐味 其の2:新しい出合い
22日は、最優秀アルバム賞、最優秀楽曲賞、最優秀アーティスト賞など主要6部門が発表に。その授賞式の合間をぬって、YOASOBI、Creepy Nuts、宇多田ヒカルさん、藤井風さん、矢沢永吉さん(!)らが生パフォーマンス。こんな贅沢があってよいのか、というラインナップでしたが、筆者が驚かされたのは、ちゃんみな、そしてAI×Awich×NENE×MaRIの女性ラッパー2組のステージ。正直、よく知らなかった「彼女たち」、食わず嫌いだった「ラップ」というジャンル。しかし、初めて聞く歌声、歌詞、パフォーマンスに衝撃を受けました。放つメッセージは痛快で、したたかで、圧倒的な母性も感じる。「元気出たわ~」が見終わっての第一声。ぜひ見逃した方にはご覧いただきたい! この感覚、多くの女性に共感してもらえると思います。
また、最優秀アジア楽曲賞には、タイ、インドネシア、シンガポール、韓国の楽曲がノミネート。ここにも初めて知る音楽があり、アーティストがいて、新鮮な発見を得られたのでした。こうした思いもかけない新しい音楽との出合いも、この音楽賞の醍醐味と言えるのではないでしょうか。
醍醐味 其の3:本気の音楽好きの熱量
会場のロームシアター京都は、1階から4階までの4層バルコニー構造。その1階席にアーティスト、各賞のプレゼンター、音楽関係者がずらり。報道関係者に用意された4階バルコニー席から、その様子がよく見えました。
各アーティストの生パフォーマンスに、体を揺らし、腕を振り上げ、歓声を上げる皆様。プレゼンターとして登場した小泉今日子さんも、ちゃんみなさんも、心からこの時間を楽しんでいるのが伝わってきます。中でも、一番素直にリアクションしているように見えたのは、ここでも藤井風さんでした。特に前述したAIさん×Awichさんのパフォーマンス時には、誰よりも高く腕を上げ、リズムを取り、一緒に歌っているようにも見えました。終了するや、誰より早く立ち上がってスタンディングオベーション。その姿は微笑ましいというか、正しいというか。まさに「音楽好きの、音楽好きによる、音楽好きのためのアワード」を実感。何か会場全体に一体感すら感じるような時間でした。
醍醐味 其の4:あの頃をもう一度
賞レースと言えば、年末のレコード大賞を欠かさず見ていた世代です。クラスメイトと話すのは「昨日見た音楽番組」で、月曜はトップテン、水曜は夜ヒット、木曜はベストテン、日曜日にはレッツゴーヤングがルーティン。J-POPなんて言葉がまだなかった時代に、浴びるように日本の音楽を聞いていたはずなのに、いつしか歌番組も見なくなり、賞レースにも興味を失い……。そんな大人世代の音楽魂に再び火を点けてくれるのがこの〈MUSIC AWARDS JAPAN〉かも。
日本の音楽界の現在地がわかるこの賞は、その規模感といい、お祭り感といい、少女時代のワクワクを思い出させてくれます。音楽の楽しさと音楽が持つチカラをもう一度気づかせてくれる機会にもなりそう。来年の開催はいつ? どこで? と早くも2026年が待ち遠しくなる一夜でした。
主要6部門の最優秀受賞アーティスト
〈最優秀楽曲賞〉
Bling-Bang-Bang-Born / Creepy Nuts
〈最優秀アーティスト賞〉
Mrs. GREEN APPLE
〈最優秀ニュー・アーティスト賞〉
tuki.
〈最優秀アルバム賞〉
LOVE ALL SERVE ALL / 藤井 風
〈Top Global Hit from Japan〉
アイドル / YOASOBI
〈最優秀アジア楽曲賞〉
Supernova / aespa
授賞式を経た特別番組を、6月9日(月)から全国の民放ラジオ 99 局にて順次放送。ラジオ特番のナビゲーターは、MUSIC AWARDS JAPANの授賞式会場でレッドカーペットアンバサダーをつとめた中島健人さんが担当します。
放送は2025年6月9日(月)から6月22日(日)の期間内に民放ラジオ99局で各局順次放送となるため、各ラジオ局HP等で放送日時をご確認ください。また、ラジオ配信プラットフォーム「radiko(ラジコ)」では、タイムフリーでも放送後1週間無料で聴くことができます。ぜひチェックしてみてください!
『MUSIC AWARDS JAPAN 2025 RADIO:HIGHLIGHTS』
■放送日:2025年6月9日(月)~6月22日(日)
※この期間中に全国の民放ラジオ局99局で、60分もしくは55分で放送。放送日時は各局で後日発表予定です。
■出演:中島健人
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