暮らしに役立つ、知恵がある。

 

ドラマで話題のあの場所へ。自然と文化が共存する高知の旅。

県面積の80%以上を森林が占めるという高知県は、人々の暮らしと自然がとても親密に交わる場所。おもてなしの心あふれる話題の地に足を運んでみませんか。

撮影・太田太朗 文・保手濱奈美

やなせたかしさんゆかりの地を巡って。

高知県香美(かみ)市香北(かほく)町で生まれた、やなせたかしさん。
その場所、人、自然を訪ね、ルーツを探る旅へ。

香美市立やなせたかし記念館

写真提供:(公財)なやせたかし記念アンパンマンミュージアム振興財団
写真提供:(公財)なやせたかし記念アンパンマンミュージアム振興財団

楽しくて心温まるやなせ作品が大集合。

アンパンマンを生み出した絵本作家であると同時に、漫画家、詩人などさまざまな顔を持つやなせさん。「香美市立やなせたかし記念館」は、その多岐にわたる作品に触れられるミュージアム。大きく2つの施設からなり、上写真の「アンパンマンミュージアム」は、ここでしか見られない貴重なアンパンマンと仲間たちの絵でいっぱい。「詩とメルヘン絵本館」は、アンパンマン以外のイラストや詩など“大人なやなせさん”を深掘りできる。

ミュージアムショップで購入できるオリジナルのクリアファイルとサブレ缶 ©やなせたかし ©やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV
ミュージアムショップで購入できるオリジナルのクリアファイルとサブレ缶 ©やなせたかし ©やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV
やなせさんが手掛けた雑誌『詩とメルヘン』の表紙絵や詩のほか、さまざまな作品を展示
やなせさんが手掛けた雑誌『詩とメルヘン』の表紙絵や詩のほか、さまざまな作品を展示
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ミュージアムショップで購入できるオリジナルのクリアファイルとサブレ缶 ©やなせたかし ©やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV
やなせさんが手掛けた雑誌『詩とメルヘン』の表紙絵や詩のほか、さまざまな作品を展示

●高知県香美市香北町美良布1224・2 
TEL:0887・59・2300 
営業時間:9時30分〜17時(最終入館16時30分) 火曜休 
入場料1,200円
最寄り駅はJR土讃線・土佐山田駅。そこからJRバスに乗り換え、美良布(アンパンマンミュージアム)で下車、徒歩5分。
アンパンマンバスが運行。

大川上美良布神社(おおかわかみびらふじんじゃ)

ドラマで話題のあの場所へ。自然と文化が共存する高知の旅。

32人の漫画家による天井絵ややなせさんの絵馬が拝観できる。

やなせさんが生まれた地域の氏神様。平安時代創建ともいわれるこちらの社は、地元を応援したいというやなせさんの故郷愛が随所に滲む。社務所の天井には、32人の著名な漫画家による描き下ろしのイラスト(上写真)が飾られているが、そのきっかけはやなせさんのアドバイスによるものだったという。また、拝殿にはやなせさん直筆の世界に一つしかないアンパンマンたちの絵馬が飾ってあり、特別感たっぷり。

拝殿にはやなせさん直筆の絵馬が ©やなせたかし
拝殿にはやなせさん直筆の絵馬が ©やなせたかし
ドラマで話題のあの場所へ。自然と文化が共存する高知の旅。
授与品には、やなせさんが特別に描いた十二支のイラストを織り込んだ「やなせたかしの幸運十二支お守り」も ©やなせスタジオ
授与品には、やなせさんが特別に描いた十二支のイラストを織り込んだ「やなせたかしの幸運十二支お守り」も ©やなせスタジオ
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拝殿にはやなせさん直筆の絵馬が ©やなせたかし
ドラマで話題のあの場所へ。自然と文化が共存する高知の旅。
授与品には、やなせさんが特別に描いた十二支のイラストを織り込んだ「やなせたかしの幸運十二支お守り」も ©やなせスタジオ

●高知県香美市香北町韮生野243 
TEL:0887・59・2878 
美良布(アンパンマンミュージアム)バス停より徒歩約1分。
天井絵を奉納した漫画家は、地元出身のおかもとあつしさん、植田まさしさん、萩尾望都さん、ちばてつやさんなど。

物部川(ものべがわ)

ドラマで話題のあの場所へ。自然と文化が共存する高知の旅。

今も昔も変わらぬ姿で、地元の人たちに親しまれる。

香美市の白髪山を水源とする物部川。やなせさんが、地元合唱団のために1999年に贈った「香北讃歌」には、物部川を「あおくきらめく」と表現する歌詞があることからも、地元の人にとってなじみの深い風景であることが窺える。香美市立やなせたかし記念館周辺の物部川はおだやかだが、上流は山岳地帯で地形が急峻。県の天然記念物に指定されている轟の滝は、高知でも指折りの景勝地。訪ねるエリアによって、さまざまな表情が楽しめる。

⚫︎おすすめ立ち寄りスポット

韮生(にろう)の里

食事所の名物「しいたけ丼」700円
食事所の名物「しいたけ丼」700円
「玄米かるかん」とあんこ入りの「あんかる」各500円
「玄米かるかん」とあんこ入りの「あんかる」各500円
ドラマで話題のあの場所へ。自然と文化が共存する高知の旅。
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食事所の名物「しいたけ丼」700円
「玄米かるかん」とあんこ入りの「あんかる」各500円
ドラマで話題のあの場所へ。自然と文化が共存する高知の旅。

おみやげに食事に……。名物とも出合える直売所。

香美市立やなせたかし記念館の向かいに位置する道の駅美良布の直売所。地元の新鮮な野菜や、おみやげにぴったりのお菓子が並ぶほか、食事ができる「キッチン韮生の里」も併設されている。

●高知県香美市香北町美良布1211 
TEL:0887・59・3156 
営業時間:7時〜17時30分、キッチン韮生の里9時〜16時 
手作り和菓子「玄米かるかん」が人気。

TOSACO TAP STAND(トサコ タップ スタンド)

タップは9種。その日の限定メニューも
タップは9種。その日の限定メニューも
物部ゆずがキリッと香る「ゆずペールエール」など。写真はMサイズ800円〜
物部ゆずがキリッと香る「ゆずペールエール」など。写真はMサイズ800円〜
ドラマで話題のあの場所へ。自然と文化が共存する高知の旅。
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タップは9種。その日の限定メニューも
物部ゆずがキリッと香る「ゆずペールエール」など。写真はMサイズ800円〜
ドラマで話題のあの場所へ。自然と文化が共存する高知の旅。

物部川を眺めながら、クラフトビールで乾杯!

物部ゆずや土佐文旦など、高知の素材を副原料に、“おいしい高知”がビールとなって存分に味わえるスタンド。醸造所に併設されているため、いつでもフレッシュな1杯が愉しめるのもうれしい。

●高知県香美市香北町橋川野584・1 
TEL:0887・59・2633 
営業時間:木・金16時〜21時(20時30分LO)、土・日・祝日11時〜18時(17時30分LO) 月・火・水曜休

風光明媚な地元の列車で高知を巡る。

東西に長い高知県。その移動に便利な4つの路線の車窓に広がるのは、山、川、海の大パノラマ。各路線の名物列車も旅の楽しみ。

ドラマで話題のあの場所へ。自然と文化が共存する高知の旅。

JR 土讃線(どさんせん)

絶景が続く土讃線
絶景が続く土讃線

起伏に富んだ大自然を堪能できる。

高知から徳島を抜け、香川を結ぶ土讃線。窓外に望むのは、讃岐山脈や四国山地、吉野川、太平洋など。山、川、海の雄大な景色を余すところなく楽しむことができる。沿線には、国の特別天然記念物の「杉の大スギ」を擁する大豊町の八坂神社や、香美市立やなせたかし記念館が。やなせさんの故郷である香美市を走るこの路線には、「アンパンマン列車」も運行。子どもはもちろん、大人も笑顔がほころぶかわいらしさで大人気。

アンパンマン列車の運行区間は、高知駅から香川の多度津駅などを経て、瀬戸大橋を渡り、岡山駅まで。乗り換えなしで本州と陸路でつながる。1日に上りと下り各5本。
樹齢3000年ともいわれる杉の大スギ。最寄りは大杉駅。●高知県長岡郡大豊町杉794
樹齢3000年ともいわれる杉の大スギ。最寄りは大杉駅。●高知県長岡郡大豊町杉794
あかいアンパンマン列車ときいろいアンパンマン列車の2種類 ©やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV
あかいアンパンマン列車ときいろいアンパンマン列車の2種類 ©やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV
1号車は「アンパンマンシート」(普通車指定席)。乗車日の1カ月前から予約可
1号車は「アンパンマンシート」(普通車指定席)。乗車日の1カ月前から予約可
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樹齢3000年ともいわれる杉の大スギ。最寄りは大杉駅。●高知県長岡郡大豊町杉794
あかいアンパンマン列車ときいろいアンパンマン列車の2種類 ©やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV
1号車は「アンパンマンシート」(普通車指定席)。乗車日の1カ月前から予約可

JR 予土線(よどせん)

ドラマで話題のあの場所へ。自然と文化が共存する高知の旅。

ユニークなラッピング列車で四万十川を並走。

予土線が結ぶのは、高知と愛媛。日本最後の清流とも呼ばれる四万十川沿いを走ることでも知られている。川底が透けて見えるほど美しい水面を、並走しながら眺める贅沢さ。この路線は、トロッコ車両が連結された「しまんトロッコ」(上写真)など、特色豊かな6種類のラッピング車両が走ることでも人気。沿線にホビー館が立つフィギュアメーカー・海洋堂の「海洋堂ホビートレイン(かっぱうようよ号)」には、車内にフィギュアの展示もあり。

運行区間は、高知の若井駅から愛媛の北宇和島駅まで。四万十川に臨む絶景区間は、江川崎駅から土佐大正駅のおよそ25km。しまんトロッコの乗車区間は、上りは江川崎~土佐大正、下りは土佐昭和~江川崎まで。乗車には乗車券のほか、指定席券が必要。指定席券は乗車の1カ月前から発売。

土佐くろしお鉄道 ごめん・なはり線

ごめん えきお君は後免駅、あき うたこちゃんは安芸駅、いおき トラオ君は伊尾木駅のキャラクター ©やなせたかし
ごめん えきお君は後免駅、あき うたこちゃんは安芸駅、いおき トラオ君は伊尾木駅のキャラクター ©やなせたかし
しんたろう号・やたろう号のオープンデッキ。下り列車で夜須駅を過ぎると太平洋が!
しんたろう号・やたろう号のオープンデッキ。下り列車で夜須駅を過ぎると太平洋が!
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ごめん えきお君は後免駅、あき うたこちゃんは安芸駅、いおき トラオ君は伊尾木駅のキャラクター ©やなせたかし
しんたろう号・やたろう号のオープンデッキ。下り列車で夜須駅を過ぎると太平洋が!

やなせさん考案キャラクターがお出迎え。

高知の東側を走るごめん・なはり線は、21駅それぞれに、やなせさんとやなせスタジオ作のオリジナルキャラクターがいるというスペシャル感。イラストやモニュメントになっているので、各駅を降りてコンプリートしたくなる。途中、あかおか駅には全キャラクターが勢ぞろい。また、この路線には、オープンデッキの「しんたろう号・やたろう号」が走行。心地よい海風を感じながら、太平洋をゆったり眺めることができる。

運行区間は後免駅から奈半利駅まで。キャラクターの外装がかわいい「しんたろう号・やたろう号」は、1日に上りと下り計3本運行。予約や追加料金なく乗車可。

土佐くろしお鉄道 中村・宿毛線(なかむら・すくもせん)

ドラマで話題のあの場所へ。自然と文化が共存する高知の旅。
やなせたかしさん作の「サニーくん」と「サンコちゃん」が描かれたラッピング列車 ©やなせたかし
やなせたかしさん作の「サニーくん」と「サンコちゃん」が描かれたラッピング列車 ©やなせたかし
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ドラマで話題のあの場所へ。自然と文化が共存する高知の旅。
やなせたかしさん作の「サニーくん」と「サンコちゃん」が描かれたラッピング列車 ©やなせたかし

雄大な四万十川を列車で渡って自然豊かな高知を西へと旅する。

高知の西側を走る中村・宿毛線。そのキャラクターとなっているのが、やなせたかしさん作の「サニーくん」と「サンコちゃん」。モチーフは宿毛湾で見られる“だるま夕日”とのことで、おだんごを2つ重ねたような姿が愛らしい。ラッピング列車や、地元のイベントなどで大活躍。車窓の見どころは、中村駅と具同駅の間を通る際に、眼下を流れる四万十川。また、土佐湾や、のどかな田園風景にも心癒やされる。

中村線の運行区間は窪川駅から中村駅まで。宿毛線は中村駅から宿毛駅まで。四万十川を間近に見るなら、中村駅で下車し、タクシーで15分ほどの佐田沈下橋へ。四万十市市街地から最も近い沈下橋。川の氾濫に備えた手すりのない特有の橋はスリルあり!

高知の最新情報は、「どっぷり高知旅」をチェック。

ドラマで話題のあの場所へ。自然と文化が共存する高知の旅。

高知の魅力に“どっぷり”浸るなら、地元の人だからこそ知るとっておきの情報が満載のこのウェブサイトへ。最新グルメや、絶景、アクティビティなどのほか、高知のディープな楽しみ方まで、旅の選択肢が広がる!

『クロワッサン』1139号より

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