暮らしに役立つ、知恵がある。

 

広告

“京都の今”を味わうおまかせ1本の最旬店

長年、京都の食を取材してきたライター・中井シノブさんが、京のいまを映すおまかせ1本の店を選りすぐって紹介。

撮影・東谷幸一 文・齋藤優子

祇園・白川|水の

緩急自在に繰り出す、温故知新のおまかせ

料理はすべて2万5000円のおまかせから。画像は小かぶと伊勢海老の粕汁仕立て。
料理はすべて2万5000円のおまかせから。画像は小かぶと伊勢海老の粕汁仕立て。

「新しい京料理界を引っ張ってきた『祇園 さゝ木』の佐々木浩さんの背中を17年間見てきた水野隆弘さんが店主。大将譲りのパフォーマンスを取り入れながら、本格的な京料理を出しています」

筍と蛤、ばちこのお椀。吸い地のダシは、鹿児島・指宿にある山吉國澤百馬商店の本枯節を自ら削って引く。
筍と蛤、ばちこのお椀。吸い地のダシは、鹿児島・指宿にある山吉國澤百馬商店の本枯節を自ら削って引く。

ババンと目の前で豪快に伊勢海老を捌くと、餃子鍋で殻ごと蒸して半生に仕上げ、一皿に。一見洋風な佇まいだが、実は古くからの料理、具足煮(ぐそくに)である。しかも、桃の節句にちなんでの粕汁仕立て。

鯛と紫ウニのお造り。
鯛と紫ウニのお造り。

昔ながらの調理法や行事食が好きだという水野さんは、筍と蛤の直球のお椀で勝負したかと思えば、ライブ感たっぷりのいま風具足煮で盛り上げる。長年集めているという骨董の器で、緩急自在に繰り出されるおまかせは、実に楽しい。

伊勢海老の火入れは「これがいちばん」と餃子用の鉄鍋で。蓋をして見事な半生状態に。
伊勢海老の火入れは「これがいちばん」と餃子用の鉄鍋で。蓋をして見事な半生状態に。
“京都の今”を味わうおまかせ1本の最旬店

京都市東山区中之町245・2
TEL.075・746・5352
営業時間:18時〜21時(土曜のみ12時〜15時あり) 日曜、第2・4月曜休
18時一斉スタートで、2万5000円のおまかせ1本のみ。骨董商、古美術商が軒を連ねる新門前通に。

  • 中井シノブ さん (なかい・しのぶ)

    ライター

    京都の情報誌の編集長を経て、フリーに。取材してきた京都の飲食店は1万軒以上。この街の旨いもんを知り尽くす、食いしん坊にして呑み助。

『クロワッサン』1137号より

02 / 02

広告

  1. HOME
  2. くらし
  3. “京都の今”を味わうおまかせ1本の最旬店

人気ランキング

  • 最 新
  • 週 間
  • 月 間

注目の記事

編集部のイチオシ!

オススメの連載