【岡崎】何度訪れても感動がある心躍る京都の名所とその周辺を歩く
撮影・福森クニヒロ 構成&文・大和まこ
岡崎|散策とともに楽しみたい、注目の展覧会が開催中
京都市京セラ美術館
可憐に雅に咲く椿に浸る春のひととき
前身となる「大礼記念京都美術館」が開館したのは昭和8(1933)年。日本の公立美術館のなかで、もっとも歴史ある当時の建築を残し、2020年にリニューアルオープン。
地域のハブとしても賑わう美術館で開催されるのが、『モネ 睡蓮のとき』展だ。晩年は多くの困難に直面しながらも、睡蓮の池を巨大なカンヴァスに描き続けたモネ。その試行錯誤の過程で創作された、2メートルを超える大作の《睡蓮》が本展の中心となる。
パリのマルモッタン・モネ美術館より日本初公開の7作品を含む約50点が来日。さらに日本国内の所蔵作品も加わり、モネが晩年に創作した睡蓮シリーズが一堂に会する。過去最大規模となる展覧会が春の京都に彩りを添える。
京都市左京区岡崎円勝寺町124
TEL.075・771・4334
10時〜18時(最終入場時間は展覧会により異なる)
月曜休(祝日の場合は開館)、12月28日〜1月2日休
地下鉄東西線「東山」駅より徒歩8分。
細見美術館
精緻な彩色画と自由闊達な水墨画を
神道・仏教美術から茶の湯の美術、琳派・伊藤若冲らの江戸絵画と、日本美術のほとんどの分野や時代にわたる作品を有する細見美術館。
開催中の『若冲と江戸絵画』展は2020年以来となる伊藤若冲が主役の展覧会。緻密な描写と鮮やかな色彩の《雪中雄鶏図》《糸瓜群虫図》といった絵画制作に専念する以前の30代の初期作は必見。墨や筆を自由に操り描いた《群鶏図》や《鼠婚礼図》など晩年の作も揃え、すべて細見コレクションで展開する。
展覧会とともに楽しみたいのは最上階の『茶室 古香庵』で供される季節の生菓子とお抹茶。数寄屋建築の名匠・中村外二棟梁の遺作でもある端正な茶室で東山の借景を眺めながらの一服を。
京都市左京区岡崎最勝寺町6・3
TEL.075・752・5555
10時〜17時 月曜休(祝日の場合は翌日休)、展示替期間休、年末年始休
『茶室 古香庵』
営業時間:11時〜16時 不定休
地下鉄東西線「東山」駅より徒歩10分。
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