至高のミニチュア展 ホテル雅叙園東京で楽しむ“ちいさな世界”
撮影・文 Momo*Kinari
「ホテル雅叙園東京」にある東京都指定有形文化財「百段階段」の7つの部屋を舞台にした展示「ミニチュア×百段階段~文化財に広がるちいさな世界~」。ジオラマでつくられた日本の風景や手のひらに収まるほどのご馳走、極小のお雛さまなど、さまざまなジャンルや技術、感性によってつくり出される“ちいさな世界”が広がります。
7つの部屋を回遊して楽しむ「ミニチュアの世界」。
まずは階段を上がって最初の部屋、「十畝の間」へ。黒漆の螺鈿細工が随所に見られる重厚な部屋での展示テーマは『ミニチュアの宴』。料理、豆本、花、切子などさまざまなミニチュアアートが揃います。
テレビやネットでも話題の作家の作品が並び、その細かさとリアリティーに、しばらくこの場所から立ち去りがたくなってしまうほど。
漁樵の間「遠近法のミニチュアハウス」。
展示物を覗き込んで、思わず「すごい……」と呟いてしまったのがミニチュアハウスアーティストの島木英文さんの作品。い草の細かさが素晴らしい畳制作は舛田ゆかさんが担当。
遠近法を用いて作られたミニチュアハウスは、奥に進むほど天井が低くなったり床が高く作られ、リアルな奥行きを視覚で楽しめます。左右正面、角度を変えて見るのがポイント。
草丘の間「街のジオラマ」。
新宿や秋葉原など、東京の街やビルをテーマにしたジオラマを展示。ドローンからのような視点で眺めて楽しめます。
また、草丘の間の欄間には磯部草丘の式草花絵風景が描かれており、風景画を背景にさまざまな角度から観察すると、この場所ならではの景色が見られます。
静水の間『ミニチュアのお雛さまと和の世界』。
こちらの部屋では、雛道具研究家の川内由美子さんによるコレクションを展示。ひな祭りのほかにも、五月飾りやおもちゃ、食べ物、食器など、江戸時代後期〜明治時代中期のミニチュアがたくさん並び、日本では昔から小さなものが愛でられていたことがわかります。切子の細かさにも注目してみてください。
星光の間『ドールハウスの魅力』。
ミニチュアドールハウス作家、小林美幸さんの金魚カフェやアクアリウムショップなどをはじめ、ミニチュアの水槽などを展示販売。透明感があって涼やかな魚たちが優雅に泳ぐ姿を形にしています。
また、その隣ではアンティークドールハウスのコレクター佐藤與一さんが、イギリス、ドイツ、スイス、オランダなどのドールハウスを展示。王侯貴族が職人に特注で作ってもらっていたような贅沢な造りのドールハウスは一見の価値あり。
清方の間『本の間の小さな世界』。
本と本の間に繰り広げられる小さな世界は、裏路地BOOKSHELF作家 momdeさんによる作品。本と本の間に昭和の商店街や香港ストリートなどの世界が広がり、その不思議な作品がX(旧Twitter)でも話題に。どこかで見たことがありそうな裏路地の風景に郷愁を誘われます。
頂上の間『Alice in “Wa”nderland』。
ジャンボフラワーアーティストのMEGUさんが造り上げる不思議な世界では、のれんを潜った先にある「Drink Me」を飲むと身体がだんだん小さくなっていき、「自分自身が小さな世界の住民になる」という架空のストーリーをもとに、奥へ進んでいきます。ミニチュアとは逆の世界観ですが、不思議な体験ができます。
ミュージアムショップでは、今回の展示物にまつわるグッズや作家による商品、本なども並んでいますので、おうちに小さな世界を持ち帰ってみてはいかが?
「ホテル雅叙園東京」
開催期間:3月9日(日)まで ※会期中無休
開催時間:11時~18時(最終入館17時半)
場所:ホテル雅叙園東京 東京都指定有形文化財「百段階段」
TEL:03-5434-3140(イベント企画 10時〜18時)
料金:一般 1,600円 / 大学・高校生 1,000円 / 小・中学生 800円
広告