トマト煮の卵落とし【荻野恭子さんのおいしいトマト煮込み】
撮影・黒川ひろみ スタイリング・矢口紀子 構成&文・堀越和幸
料理研究家の荻野恭子さんはこれまでに世界65カ国以上を訪れて、現地の主婦やシェフに料理を学んできた。
「トマト料理はどの国でも人気。トマトにはグルタミン酸という旨み成分があるから、料理がおいしくなります」
中でも今回紹介してくれたのは各国の家庭で作られている定番煮込み料理。
「肉や魚のタンパク質を1つ、それに2〜3種の野菜を一緒にして煮込むというごくシンプルなものです」
ポイントはスパイスと塩の扱いだ。
「スパイスはすべてだと大変なので、料理の個性が表れる最低限のものを選びました。肉魚には塩で下味をつけて加熱します。煮込んでそれぞれの食材からコクが出たら、最後に味見しながら少量の塩で調えてください」
[トマト缶]でトマト煮の卵落とし(シャクシュカ)(中東)
シャクシュカとはトマトソースで野菜やスパイスを煮込んで、中に卵を落とす中東の伝統的な家庭料理。
「煮込むといっても5分くらいの時間でできてしまいますので、向こうでは朝ごはんとして親しまれています」
本場では青唐辛子を入れて辛味をつけるが、ここではパセリを散らして風味付け。食べる時には卵をかき混ぜて。
【材料(2人分)】
玉ねぎ 1/4個
トマト缶(カット)1/2缶(200g)
卵 2個
オリーブ油 大さじ1
A[塩・クミンパウダー 各小さじ1/2、粉唐辛子 小さじ1/4]
パセリ 適量
【作り方】
1.玉ねぎは薄切りにする。
2.フライパンにオリーブ油、玉ねぎを入れてしんなりするまで中火で炒め、トマト缶、水1/4カップを加えて5分ほど煮る。
3.2にAを加え混ぜ、卵を落とし入れて7分ほど煮る。パセリのみじん切りを散らす。
『クロワッサン』1129号より
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