幸運が舞い込む【トイレ】を清々しく。
撮影・中島慶子 文・新田萱子
毎日使う玄関とトイレをきれいに整えることで運気も上がると語るのは、密教風水カウンセラーの種市勝覺(しょうがく)さん。
「運とは他力、外から運ばれてきます。良い運を呼び込むには自分以外の他者を配慮する行動が重要で、掃除はその一つ。家の外と内の境界となる玄関やプライベートな空間であるトイレは、他者への配慮を象徴する場所です」
この2カ所を掃除する上で、心得ておきたいポイントは“全体視すること”。
「玄関は三和土(たたき)、トイレは便器がまず目に入りますが、ドアや棚なども空間を構成する一部です。もちろんそれらを毎日完璧に掃除する必要はありません。できる範囲でよいので清潔感を保てるように整えていきましょう。風水では建物を魂を持つ生命体と捉えます。家をきれいにして生気で充たすと住む人の生命力も上がります。家族の健康を祈り、家への感謝を込めて掃除すればいい循環が生まれます」
トイレ
「プライベートな場所であるトイレは、使う人へのおもてなしが伝わりやすい空間。風水では、腎臓や膀胱の経絡と共鳴する場所と位置付けられます。トイレが、汚い、臭い、落ち着けないといったストレスを感じる場所になると、空間に緊張感という〝殺気〟が生まれます。日々の掃除を通して汚れやニオイなどに気を配り、リラックスして用を足せる空間に整えることが、健やかな心身にも繋がるでしょう」(種市さん)
[毎日やりたい]
トイレ掃除の第一関門、便器と床。これらの掃除を日課にすれば汚れが深刻にならず、清潔感を常に保てていいことずくめ。
床を拭く。
まずは床をフローリングワイパーなどで一掃。「毎日必須ではないですが、ホコリや髪の毛などの微細なゴミが落ちている場合は取り除きましょう」(出口さん)。便器の手前だけでなく便器の奥や空間の隅々まで丁寧に。
除菌シートを使い、床全体を拭き掃除。便器と床の接地面などは念入りに。「トイレの構造上、飛び散り汚れは女性の一人暮らしであっても免れませんので、できれば毎日、最低でも2〜3日に1度は床を掃除したほうがいいです」
便器の中を洗う。
「便器の素材はコーティングされた陶器のため、傷がつくと汚れやすく細菌の繁殖の原因にもなります。柔らかいブラシで擦り洗いするのが理想的」
水面のラインにできる輪っか汚れは未然に回避。「ブラシを便器の奥に何度かギュッと押し込むと水位が下がるので、洗剤をつけてかき落とします」
特殊形状の繊維を採用したブラシが細部にもフィット。コーティングを傷つけず水だけでも洗える。
[時間があれば]
便座蓋の裏側や便座とのすき間、洗浄ノズル周りは汚れが蓄積されていく。毎日掃除する必要はないものの、定期的な手入れを習慣に。
便座蓋の後ろやすき間のホコリを取る。
便座蓋を開けた時に、蓋と便座部分の境目にあたるすき間なども、ホコリや飛び散り汚れなどが溜まりがちな場所。「すき間の汚れにアプローチしやすい、使い捨てタイプのスリムな専用ブラシを使うと簡単に掃除できます」
すき間の掃除に特化したブラシ。不織布部分に特殊形状の繊維を使っており、水だけでも汚れをかき落とせる。ヘラ部分はしつこい汚れを落とすのに重宝。
洗浄ノズルを磨く。
温水洗浄便座の洗浄ノズルは、活用頻度に反して掃除をうっかり忘れがち。「ノズル部分は黄ばんだり汚れが溜まりやすいので定期的に点検を。ノズルはシート状のクリーナーで包むようにして拭きましょう。力を一点にかけると故障の可能性もあるので、優しく扱ってください」
シート状のクリーナーで、表面の凹凸により水あかや黄ばんだ汚れをオフ。水で濡らして使用するもよし、頑固な汚れには少量のトイレ用洗剤をつけても。
ノズル収納部分を磨く。
洗浄ノズルを掃除する時に、一緒に掃除したいのがノズルの収納部分の内部。「ここも黄ばみや水あかなどの汚れがつきやすいです。すき間掃除に特化したブラシを水で濡らし、ノズルを引き出した状態で磨きましょう。汚れが落ちにくい場合は洗剤をつけて擦っても」
[コレで差がつく]
「そんなところも?」と思いがちなパーツも汚れを放置すればニオイなどに直結。汚れを防ぐアイテムも賢く取り入れたい。
消臭フィルターのホコリや汚れを取る。
見落としがちなのが脱臭用フィルター。「ここの汚れを放置すると、逆に脱臭性能が下がりニオイの原因になったりカビの温床にもなりかねません。たまに取り出してホコリを取り、水洗いできるものは洗浄して充分乾かしましょう」
ペーパーホルダーのホコリを取る。
ペーパーホルダーも、触れることが多いわりに手入れを怠ってしまいがち。「ホコリが溜まりやすいので、マイクロファイバークロスや除菌シートなどを使って拭き取りましょう」。ホルダーカバーを使っている人は定期的に洗濯を。
便器と床の設置面を塞ぐ。
便器の外側をつたう尿や冬場の結露による水気を放置してしまうと、ホコリと合わさってカビや汚れの原因に。「テープなどで汚れる前に防ぐことが大事です」
便器に垂れてきた尿や結露を吸収。カテキン入りでアンモニア消臭効果あり。便器の形状に合わせて貼れる。ハサミで切ることもできカラー展開も充実。
尿の飛び散りを予防する。
便器のすき間からの飛び散りも、トイレを汚しニオイの元になる。便利アイテムを活用して、先手を打つのがスマート。「〈おしっこ吸う〜パット〉は尿の飛び散りのほか、結露対策やすき間にホコリが入るのを防ぐのにも有効です」
便座を上げて便器前方に貼るクッション性のあるパット。すき間からの飛び散り汚れを防ぐ。横からの飛び散りが気になる場合は正面と両脇にも。
タンクの手洗いボウルを磨く。
来客目線でも気になるのが、手洗いボウル。「ホコリが溜まりやすく、水が流れるため特に汚れが固着する部分。3日に1回の目安でこまめに拭き掃除を」
タンクの中を点検、洗浄する。
見て見ぬふりをしているといつかきっと後悔するのがトイレタンクの内部。「ここが不衛生だと便器内部に汚れた水が流れることになり、ニオイの原因に。半年に1度は中を見て、必要に応じてトイレタンク専用の洗剤を使いましょう」
『クロワッサン』1128号より
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