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〝年収106万円の壁〟を超える!これからの新しい働き方を考える。

時間給で働く人が気にかけている「年収の壁」を超えて、社会保険に加入するメリットとは?

イラストレーション・本村 誠 文・黒澤 彩

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年収の壁をとび超えてもっと自由に働く!
年収の壁をとび超えてもっと自由に働く!

パートやアルバイトで働く人なら誰しも聞いたことがある「年収の壁」。収入が一定額を超えると社会保険に加入できるのだが、配偶者の扶養を外れることや保険料の負担といったデメリットが大きいと思う人もいるはず。でも、本当にそうだろうか?今年の10月から、社会保険(厚生年金保険・健康保険)に加入できる短時間労働者がさらに増える。言い換えれば、パート、アルバイトでも正社員と同じ社会保障を受けられるチャンスが拡大したということだ。

具体的に見てみよう。短時間労働者への適用拡大は、2016年から段階的に実施されてきた。2022年10月以降は従業員数101人以上の企業が対象だったが、今年10月からは51人以上の企業にまで拡大。働き手は、所定内賃金が月額8・8万円(年収106万円)以上などの条件で社会保険に加入できる。自分の勤め先が当てはまるかどうか、まずは確認を。

社会保険に加入すれば、もちろん保険料の負担はかかる。ただ、なによりも将来の年金を増額できること、病気になったときの保障を得られることといったメリットがあり、老後の安心にもつながるだろう。また、手取り収入を減らさないための支援策も存在する。

年金をどのくらい増やせるのか試算してみよう。たとえば、厚生年金保険に加入し年収150万円で15年間働いたら、老齢年金は年額11万5100円ほど増える。

人生100年時代においては、終身でもらえる自分自身の年金額を増やせるのは大きなメリット。「年収の壁」を超えてたくさん働くことで収入アップと年金アップをダブルで見込めるのに、“働き控え”の状況にあるとしたら、もったいない!制度改正が後押ししてくれるこのタイミングで、これからの働き方を前向きに考えてみよう。

今年10月から変わる、社会保険の適用範囲って?

「年収106万円の壁」の106万円とは、パートなど短時間労働で働く人が、社会保険(厚生年金保険・健康保険)への加入が必要となる年収のボーダーライン。保険料の負担を避けるために〝働き控え〞を選ぶ人もいるが、社会保険はメリットも大きい。加入には、下のリストの要件に加え、企業の従業員数が101人以上という要件があったのが、今年の10月からは51人以上となり、社会保険に加入できる人がさらに増える。今後は短時間労働でも多くの人が社会保険に加入する=「年収の壁」を気にせずに働くことがスタンダードになっていくはずだ。

〈社会保険加入の要件〉

・週の所定労働時間が20時間以上。
・所定内賃金が月額8万8000円以上。(*通勤手当・残業代・賞与などは含まない。)
・2カ月を超えて働く予定がある。
・学生ではない。

厚生年金に加入すればもらえる年金額がUP!

年金は2階建てになっている。1階部分の基礎年金に2階部分の厚生年金をプラスすることで、将来、受け取る年金額を増やすことができる。年間給与120万円で20年間加入した場合、年額11万9400円が上乗せされる。もっとたくさん働いて年間給与200万円なら年金が年額20万7100円も増えることに。老齢年金は老後の生活を支える基盤となるものであり、生涯にわたって受け取れるのだから、厚生年金保険に加入して年金額を増やすことの意味はとても大きい。老齢年金だけではなく、障害認定された場合には障害厚生年金も受け取れる。

健康保険に加入していると病気のときにも安心。

社会保険は年金だけにあらず。厚生年金保険とともに加入することになる健康保険のメリットも知っておこう。病気やケガで働けなくなったとき、給与の3分の2の金額が傷病手当金として支給される。通算して最大1年6カ月間は支給されるので、長期間の療養が必要になったとしても無収入になってしまう心配がない。傷病手当金は配偶者の扶養に入っている人は受けることができず、健康保険に加入している本人にのみ支給されるのもポイント。ほかに、産前産後休業期間中(産前42日・産後56日)にもらえる出産手当金も、健康保険から支給される。

手取りの減収に対応する企業への支援策もチェック。

社会保険に加入することで保険料の負担が発生し、手取り収入が減ってしまうことが悩み。その対策として、政府から企業への支援策も打ち出されている。昨年10月、「キャリアアップ助成金」に、社会保険の加入に併せて、働き手本人が負担する保険料相当額の手当を企業が支給するなど手取り収入を減らさないための取り組みをした場合、従業員1人につき最大で50万円を支給する新コースが設置された。この助成金は企業が申請するものなので、自分の勤め先が対応しているかどうかは、会社に問い合わせを。

手取りや年金額をシミュレーションしよう。

年収106万円の壁を超えて働くことは、長い目で見ればメリットばかり。「じゃあ、自分の場合はどうだろう?」「どのくらい働く時間を増やせばいい?」という疑問は、個別のケースで試算してくれるシミュレーターを使って解消しよう。2024年10月の変更点や、年収の壁全般についての詳しい解説は、厚生労働省の「社会保険適用拡大特設サイト」で読める。

●問合せ先
年収の壁突破・総合相談窓口
TEL:0120-030-045

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