くらし

夫婦のお金の管理、みんなどうしてる? アンケートでわかった実態とは。

夫婦で改めて話をするのも億劫といった空気になりがちな、お金の問題。
そんな見て見ぬふりが将来の切実なトラブルを招くことになる、かも。
  • イラストレーション・いいあい 構成&文・中條裕子

夫婦のお金の管理、そもそもみんなはどうしているのか?

周囲の友人たちにも意外と聞きにくいのが、夫婦間でお金の管理をどうしているか、について。

実際には、結婚時に取り決めして長い期間そのままだったり、特に話さずとも何となく家計が回っていたり……そんな人も少なくないのでは。

今回は、夫婦の間に横たわるお金にまつわる疑問の数々を、100人の女性にアンケート調査。日頃の生活を支える家計の管理や、将来のための貯蓄について聞いてみた。そこから見えてくる答えに共感したりびっくりしながら、改めて自身の家計の管理について振り返ってみることが何より大切。

この機会に、まずは今の家計がどうなっているのか?を把握し、これからどうしたいか?を、今一度夫婦でしっかり考えてみては。

Q1.共働きですか? 専業主婦ですか?

今回アンケートによって話を聞いたのは、40〜60歳の女性100人。そのうち、専業主婦は53人で、共働きが47人だった。働いている人たちは、パートやアルバイトが最も多く22人で、あとは会社員16人がそれに続いている。ほかには、フリーランスや自営業、内職や派遣といった働き方をしている人も。

Q2.家計の管理は夫婦でどうしていますか?

家計の管理は妻が行っているという回答が6割。夫が管理という人を含めると、どちらかが主になっている一元管理がほとんど。

別々の人たちは、前年度かかった分を折半、または固定費/流動費で分けている場合が多いが、中には出せるほうが出すという人も。妻または夫が管理する場合、相手への小遣いは3万〜4万円が最も多いという結果に。

Q3.家計の管理について夫婦で話し合うことがある?

家計の管理について話し合っている夫婦は半数以上。具体的には、子どもの教育費、将来かかる費用、大きな買い物など。今話題となっている資産運用について、という人も多かった。

中には、かかり過ぎた費用の原因・反省と答えた人も。また、年齢が上がるにつれて増えているのが、ローン返済、貯蓄、老後といった話題。

Q4.共有財産としての貯蓄の目標額は? 現在はどのくらいでしょうか?

貯蓄については、特にみなそれぞれ。目標額は、設定していない人12人や1億円超えも7人いたが、多かったのは1000万円20人とそれに続く3000万円10人、5000万円10人。実際の達成額もまた各々だが、100万〜500万円33人が最も多く、50代後半になるにつれ1000万〜3000万円18人と、達成額が増えているのも特徴的。

Q5.毎月の貯蓄はどうしていますか?(複数回答)

毎月の貯蓄は、まずは生活費を優先しているという人が過半数を占めた。飲食費、住居費、通信費、光熱費といった必ずかかってくるものや遊興・娯楽費などを払った後に残った額を貯金しているという結果に。それに続くのが使ってしまう前に定額を貯金に回している人。話題の資産運用を貯蓄としている人も増えているのが現状。

Q6.貯蓄のための預金通帳はどうしていますか?

月々にかかる費用以外の貯蓄のための通帳は、妻と夫がそれぞれ個別に管理しているという答えが半数。次に多かったのが、夫名義の3割弱。妻名義という人も1割ほどいる一方、共同口座にしている人は1人のみだった。貯蓄については、夫婦といえどもそれぞれに任せて、というのが現実的なよう。

夫婦の共有財産をクリアにしながらいかに管理するか。

家計管理は各家庭それぞれ、とはいえ、やり方は変われど押さえるべきところは変わらない。

「夫婦が別財布という家計も増えていますが、まだ二人の収入を合わせて妻か夫のどちらかが一元管理する形が主だと思います。どちらの形にせよ、お小遣いのような自分のお金については、使い方などを相手に伝える必要はないけれど、共有すべきことまで隠してしまうとトラブルが発生しやすい」と、家計再生コンサルタントの横山光昭さん。

別々に管理しても、二人で合わせて一元化しても、本来は〝二人のお金〟という認識を持つことが何より必要なのだという。

「婚姻期間中にできた資産は、法律の上でも二人のもの。共同の財産なのだ、という考えを持って管理することが大切です」

いずれ支出と貯蓄の情報を共有し、合わせるべきところと自由な領域をクリアにすることが、後のトラブル回避に役立つことに。

横山光昭

横山光昭 さん (よこやま・みつあき)

家計再生コンサルタント

ファイナンシャルプランナー。『はじめての人のための3000円投資生活』『老後のお金、本当に足りますか?』など著書多数。

『クロワッサン』1111号より

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