新NISAで何をどう買う? プロに聞く、タイプ別活用アドバイス。
積み立て投資の意味がわかれば、もう怖くありません。
イラストレーション・とつかみさこ 構成&文・黒澤 彩
年齢・資産・家計の状況でどう変わる?タイプ別、NISA活用アドバイス。
基本的な買い方、買う商品もわかったところで、毎月いくら買うかはどう決めればいいのか。
「初心者なのでまずは1、2万円からでいいという考えもあるでしょうけれど、50歳前後だとしたら、もう少し早足で積み立てていくほうがいいかもしれません」
カンさんが推奨するのは、無リスク資産(現金)とリスク資産の比率を5:5に均していく「拡大積み立て」。すでにある貯蓄(資産)を、少しずつ毎月の積み立て額に組み込んでいく方法だ。
「また、よく投資資金がないという声を聞きますが、それは今ある資産から捻出しようとするからですよね。そうではなく、毎月の貯蓄額の半分を、リスク資産に置き換えていくと心得ましょう」
「まず、毎年120万円、月10万円のフローの中で、貯蓄と投資の比率を半々にしましょう。仮にiDeCoが月2万円だとしたらNISAは3万円にします。さらに、ストックの中の比率も半々にするので、資産2000万円の半分、1000万円を、時間をかけて投資に回していきます。ここがSさんにとって、もっともチャレンジング。たとえば、10万円×100カ月に分解し、フローからの3万円と合わせて月13万円に。まとまったお金を一度に動かさず、毎月の積み立て投資に組み込んでいきます」
●SさんのNISA活用例は…
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)を毎月13万円積み立て。
「Eさんは、今、毎月いくら貯蓄できていますか? そのフローの半額をNISA資金にしましょう。そしてストック800万円の半分、400万円も積み立て投資に組み込みます。8万円×50カ月の計画でどうでしょうか。52歳なので、もっと早く、大きく投資したいと思われるかもしれませんが、リンゴのたとえに立ち返れば、ある程度長い年月をかけることで、アップダウン両方を経験できます。20カ月くらいだと下落だけを経験することにもなりかねません。急ぎすぎないことが大切です」
●EさんのNISA活用例は…
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)を毎月[8万円+月々の貯蓄額の半分]積み立て。
「まだお子さんの学費もかかるでしょうから、ほかの2人よりは保守的に考えなければいけません。毎月の貯蓄ができていないということはフローの部分がないので、ストックの1100万円から『拡大積み立て』をするのですが、学費プラスいくらかの生活防衛費を手元に現金で持っておいたほうがいいでしょう。たとえば、1100万円のうち300万円を、5万円×60カ月で積み立てます。大きなリスクはとりたくないとのことなので、商品は債券と株式のバランスファンドがおすすめです」
●TさんのNISA活用例は…
〈購入・換金手数料なし〉ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)を毎月5万円積み立て。
『クロワッサン』1111号より
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