くらし

あっと驚くつっぱり棒2本使いの技、あらゆる空間もすっきり。

つっぱり棒マスターで整理収納アドバイザーの清水さちこさんに、あっと驚くテクニックを教えてもらいました。
  • 画像提供・平安伸銅工業、清水幸子 イラストレーション・平安伸銅工業 文・長谷川未緒

2本使いの技。

つっぱり棒は2本を床と平行につっぱれば、棚のように使える。通気性がいいので、しまうものに合わせて選びたい。また、2本の高さを変えてつっぱると、ひっかける、おさえるといったこともできる。置きたいものに合わせて、最適なつっぱりを工夫してみよう。

(1)

「冷蔵室や冷凍室内の食品整理に使えるテクニックです。」

冷凍室で横に2本つっぱり、箸にファスナー付き保存袋をクリップでつけたものをかける技。

(2)

「トイレや洗濯機置き場など、上部のデッドスペースを有効に。」

上にものを置くときには、落ちたときに怪我をしないよう、軽いものを入れて。

(3)

「パイプが邪魔な洗面台下も、つっぱり棒ならば、収納スペースを作れます。」

2本を平行につっぱり棚のように。縁のあるケースならば、一方の縁をつっぱり棒に引っかけると(右写真)、中身が見やすく、低い位置でもものが取り出しやすい。

(4)

「好きな場所にゴミ袋を置けて、しかも1枚ずつ取り出しやすいです。」

手前のつっぱり棒がストッパーになり、ゴミ袋が1枚ずつ引き出しやすくなる工夫。

(5)

「シューズボックスの下のデッドスペースを使い、収納増。」

靴箱に入り切らない靴がしまえて、玄関がすっきり。上に置く靴は汚れの少ないものを。

(6)

「洗面台の棚に2本渡して、カチューシャを収納。子どもも選びやすく。」

備え付けのポールにはS字フックでヘアゴムをかけ、その下につっぱり棒を2本渡してカチューシャをかけている。サイズを合わせているから丸いものも安定。

(7)

「つっぱる高さを前後で変えてカゴに角度をつけて置き、出し入れしやすく。」

つっぱり棒を同じ高さにつっぱるだけではなく、手前を低くすると、かごの中身が見やすく置ける。子どもの服やおもちゃなどの整理に。

つっぱり棒で、こんなところにも!?効率的に収納空間を増やす。

「つっぱり棒は整理道具としてポピュラーですが、使いこなせていない人も多いと感じています」と語るのは、整理収納アドバイザーにして、つっぱり棒に関する専門知識を有するつっぱり棒マスターの清水幸子さん。

「まずは正しく取り付けることからです。ハンガーをかけすぎ、棒がズレ落ちた経験のある人も少なくないはず。向かい合う壁に正しくつけることと、長さの合うものを選ぶこと、耐荷重を考慮することが基本です。商品に表示されている耐荷重はいちばん短い状態で耐えられる重さであることが多いので、たとえば70cmの幅につっぱる場合、50〜80cmのつっぱり棒より60〜90cmで使えるつっぱり棒のほうがより重さに耐えられます」

つっぱり棒はデッドスペースを生かして収納量をアップしたり、空間を仕切ったり、2本使いすれば簡易的な棚を作ったりもできる。

「たとえば引き出し内やロッカーの中など、スペースと収納したいものにぴったり合うサイズのケースを探すのは意外と難しいもの。その点つっぱり棒ならばミリ単位で調整でき、ジャストフィットさせられます。自分らしく分類できる、いわば多様性のある収納用品といえると思います」

収納家具を買うより安価で、取り付け時は壁に穴を開けたり接着剤も使わないので、賃貸住宅でも安心。また、手軽に設置し直せるのもメリット。

「生活が変わって、収納するものが増えたり減ったりしたときや、引っ越しをしてものの配置が変わったときにも設置場所を気軽に変更できます。使用例をたくさん紹介しますので、あるといいな、と思った場所に自由な発想でつっぱってみてください」

つっぱり棒の正しいつけかた

(1)パイプを回して長さを伸ばす。この時、つける幅より短くし、その状態から伸ばして取り付けるのはNG。

(2)取り付けたい場所より数cm長めに出し、細いパイプ側を壁に押し当てる。

(3)内蔵のバネを縮めながら太い側を押し込むと、バネの戻ろうとする力で壁に固定される。

つっぱり棒の強度

つっぱり棒の強度を決めるのは、壁との摩擦力とパイプのたわみにくさ、つっぱる力。両端のキャップが大きいほど壁との摩擦力が増し、パイプは太いほうがたわみにくくなる。バネの力をしっかり利用してつっぱることも大切だ。

ここに注意!

□ 耐荷重を無視しない。
□ 平行でない壁に取り付けない。
□ キャップと壁の間に何かを挟まない。
□ 塗り壁に取り付けない。
□ 浴室には専用のものを。

棒の長さいっぱいにものをかけがちだが、耐荷重は要確認。取り付ける壁が平行ではない場合、キャップと壁に隙間ができ取り付けられない。キャップと壁の間に落下防止のために耐震ジェルマット等を挟むのも避けて。また漆喰や珪藻土の壁には傷がつく恐れが。浴室ではパイプや内部のバネが錆びることがあるので専用商品を。

清水幸子

清水幸子 さん (しみず・さちこ)

整理収納アドバイザー、つっぱり棒マスター

整理収納アドバイザー1級。住まいとオフィスの整理収納を提案。著書に『子どもと楽しく学ぶ 片づけの教科書』(Gakken)など。

『クロワッサン』1103号より

この記事が気に入ったらいいね!&フォローしよう

この記事が気に入ったらいいね!&フォローしよう

SHARE

※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

人気記事ランキング

  • 最新
  • 週間
  • 月間