バラにツツジ、東京で楽しむ由緒ある花の名所巡り。
文・松本あかね 取材協力・川瀬康子
東京ガーデンテラス紀尾井町(きおいちょう)
歴史的な洋館を囲む、美麗なバラの園。
チューダー様式の洋館「赤坂プリンス クラシックハウス」。その花壇には約90品種、600株のバラが咲き誇り、さながら物語が描くバラの館のよう。プリンス通り側には大輪の白バラ、建物正面はピンク、西側は赤から青のバラとゾーンごとに演出。バラを堪能した後は、建物横の水の広場からビオトープへ足を運ぶのがおすすめだ。
●東京都千代田区紀尾井町1・2 他
TEL.03・3288・5500
5時~25時(敷地開放時間)
日比谷公園
日本初の西洋風花壇の風情あるバラの佇まい。
公園の設計者は明治神宮の森を手掛けた林学博士・本多静六。心字池(しいじいけ)の隣の「第一花壇」は日本初の西洋式花壇とされ、明治の人々はここで初めてバラやチューリップと出合ったそう。5年前には日本の育種家が作出したバラに植え替えられ、プレートにはそれぞれの育種家の名前も。日本で育まれたバラの美を見つけてみて。
●東京都千代田区日比谷公園1・6
TEL.03・3501・6428
飛鳥山(あすかやま)公園
江戸百景のひとつで、徳川家も愛したつつじを。
徳川吉宗公が開いた花見処として今も親しまれる飛鳥山。実は桜の後には約1万5000株、およそ10種類のつつじが咲き誇る、つつじの名所でもある。
都電荒川線の飛鳥山駅〜王子駅前駅間の車窓から見上げると赤、ピンク、白と〝つつじ山〞の様相。その山を自走式モノレール「アスカルゴ」で登っていくのも一興だ。
●東京都北区王子1・1・3
TEL.03・5980・9210
上野東照宮ぼたん苑
上野の山で江戸情緒と春咲きぼたんを満喫。
1627年創建の上野東照宮は、上野の山でも江戸情緒を色濃く残す一角。
その敷地内にあるぼたん苑では春と冬にぼたん祭りを開催。春は110種類ものぼたんが花開き、「立てば芍薬、座れば牡丹」の言葉にあるシャクヤクと共に愛でられるのも趣深い。
ぼたんの観賞後は、東照宮の樹齢約600年の御神木にもぜひ挨拶を。
●東京都台東区上野公園9・88
TEL.03・3822・3575
「春のぼたん祭」~5月7日 9時~17時※会期中以外は閉苑 一般1,000円
『クロワッサン』1092号より