くらし

リビング、玄関、水回り…置きたい場所によってグリーンの選び方は変わります。

植物と共にある暮らしに憧れるけれど……と最初の一歩が踏み出せない人も、基本的な知識があれば健やかなグリーンライフも夢ではありません!
  • 撮影・柳原久子 構成&文・中條裕子

置きたい場所によって、グリーンの選び方は変わります。

店先で見かけたグリーンを気に入ってというきっかけもよいけれど、置く場所と目的を考えて購入することが、枯らさず育てることにつながる、とグリーンプランナーの森田紗都姫さん。

「世話をするモチベーションと関心は比例するので、こだわって選ぶと大切にしようと思うもの。感覚的な出合いだと、環境や自分にその植物が合っているのか考える時間がなかったりすることも。植物は生き物なので関心を持って接しないと枯れてしまう。選ぶ段階から興味を持って楽しめたら、管理への関心も高まるのかなと思います」

こういう場所でこんな感じで育てたいとイメージして、自宅のインテリアのテイストや自身のライフスタイルを確認しながら植物を選ぶことが大切に。

寝室

写真はサンスベリア。

■ 大きな葉の植物で調湿とリラクゼーション効果も。

あまり日に当てなくても大丈夫な耐陰性のある植物で、大きめの葉の植物がおすすめ。葉が大きいと湿度調節をしてくれ、緑を見ながらリラックスもでき、心身によい影響が。水やりは週1程度の頻度が高くないものを。

寝室におすすめ

●ツピタンサス

100〜180cm ツヤのある濃い色の葉で、成長すると曲がっていく幹も美しい。

●フィロデンドロン クッカバラ

30〜60cm 葉の形が特徴的で、切り葉としても需要が高い。

玄関

写真はサトイモ科のフィロデンドロン。

華やかな気持ちになれる、乾燥や暗さに強い植物を。

家の中でも光が差さず風通しもよくない場所なので、乾燥に強く暗くても大丈夫な耐陰性のある植物を選ぶ。スペースがあまりない場合には、プランツスタンドの上に葉や枝が垂れ下がる植物を置くという方法も。1週間に1度ほど、部屋の明るい場所に午前中2〜3時間置くようにして。

玄関におすすめ

●ドナセナコンパクタ

60〜140cm ハワイでは玄関に置くと幸運をもたらすといわれている。

●フィロデンドロン レッドコアコンゴ

60〜140cm 赤みを帯びた新芽と、光沢ある葉が特徴。

リビング

写真は左・シジギウムと右・カラテア。

高さのある大きめの鉢をインテリアの主役に置く。

大きなグリーンを置けるスペースがあることが多いので、インテリアの主役ともなる大きな鉢、シンボルツリーをまず選んで。
部屋の高さの3分の2くらい、1.6〜2.0m程度の大きさのものがおすすめ。
大きな鉢の根元を隠すよう、葉の大きな低木と合わせて置くとバランスもよい。

リビングにおすすめ

●フィカスベンガレンシス

140〜200cm ゴムノキの中でも丈夫で初心者にも育てやすい。

●エバーフレッシュ

140〜200cm 細かい葉が涼やかな印象。水が好きなので水やりは頻繁に。

水回り

写真はエアプランツとスキンダプサス。

エアプランツや人工土で、虫対策を第一に考えて。

湿度が高く梅雨時はコバエなどが発生しがちなので、人工の土で育ち、あまり日光に当てなくても大丈夫なものやエアプランツを。ただし、エアプランツは実は水を好むので、手洗いついでに水に潜らせて逆さに置くなどの根腐れを防ぐケアが必要に。

水回りにおすすめ

●ハイドロ観葉

〜40cm 人工の土、ハイドロボールに適性のある植物を購入して植え替える。

●エアプランツキセログラフィカ

〜40cm インテリア性が高いが、水やりと乾燥に注意を。

グリーンの大きさや形によって、吊るしたり並べたり、飾り方自由自在。

自宅のそれぞれの場所に合った植物をひと鉢ずつ置くのもいいけれど、もっと多くの緑に囲まれて暮らしたい、そんな時にはうまく組み合わせながら飾ってみる。

「複数の鉢を一緒に置く場合には、小さな葉を点、広い葉は面、シャープな形の葉なら線と考えて、それぞれを組み合わせるとバランスよく見えます」(森田さん)

植物を置くスペースがあまり取れないキッチンやダイニングでは、吊るして楽しむという手も。

「ハンギングするなら、上向きに成長するものではなく、下に伸びるほふく性の植物を選ぶと、目に入る緑の量が増えて楽しめますよ」

そして、多肉植物はじめ小さな鉢はいくつか並べて飾ると、水やりをする際に楽になるという利点が。

●葉の形により鉢をバランスよく配置。

中央手前のマドカズラは広い葉、右のザミオクルカスは小さな葉、左のミルクブッシュは細い葉が特徴。このように複数を飾る場合には、面、点、線といった葉の形の特性をバラけさせて組み合わせる。

●キッチンやダイニングは鉢を吊るして楽しむ。

ハンギングには、写真右のリプサリスなど乾燥地帯に育つ多肉植物を選ぶと、水やりの頻度も少なく手入れがしやすい。水やりと乾燥のケアが必要なエアプランツは、距離のある場所から眺める場合には、フェイクを取り入れてみても。

●日の当たる窓辺に小鉢をまとめて。

こまめな水やりが必要な小さな鉢は、並べて飾ると扱いやすい。日当たりのいい窓辺のスペースがキッチンにある場合には、ローズマリーやミント、イタリアンパセリなどのハーブを育てて、料理やドリンクに活用できる。

土に代わる素材で、 グリーンがより自由に育てやすく。

手軽に、まずは負担の少ないグリーンから育ててみたい。そんな初心者にも挑戦しやすい、今までにない形の観葉植物が登場。

手入れのしやすさの鍵は、土に代わる素材として開発されたパフカル。自然素材で環境に優しく、保水性も高いので水やりの負担も少なくて済む。

こうした、育てるのに失敗しにくいという特性を活かして、ギフトとして提案するのが「GG」。袋入り植物をそのまま、または付属の耐水性紙箱にパフカルチップスと移すのみ。

また、オンラインのグリーン診断で自分のライフスタイルに合った植物が選べる「&Green」は、届いたら手持ちのグラスに移して水を適量入れるだけ。どちらも週に1〜2度の水やり、水替えで充分元気に育ってくれる。

●&Green

さまざまな植物の組み合わせから、スタイルやスペースにより好みの3種を選ぶセット3,520円。https://andgreen.direct.suntory.co.jp/

●GG

6種より選べる植物に、植木鉢として使える耐水性の紙箱とパフカルチップス付き4,580円、袋入り1,518円。https://jp.gg-tokyo.com/
森田紗都姫

森田紗都姫 さん (もりた・さつき)

グリーンプランナー

「studio YAMAMORI」代表。室内外の植物プランニングはじめ、講師、商品企画、執筆、イベント企画など植物にまつわる活動を多岐にわたり行う。

『クロワッサン』1092号より

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※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

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