くらし

生けるのは花瓶だけ、でなくていい。ホルトハウス房子さんの自由に美しく花を飾る方法。

季節の花をもっとセンス良く飾りたい。
でもいい花瓶がない、そんな心配は無用。
どんな器でも素敵に見える、花と器の相性とは。
  • 撮影・ローラン麻奈 

「花は1、2種で生けるのが好み。 器との相性は直感で選びます」

「花器を買おうと思って買ったことはあまりないかもしれません。料理教室をしているから、いいなと思ったピッチャーやワインクーラーはつい買ってしまうのよね。そういうものに、適当に生けるのが好きです」とホルトハウス房子さん。器との組み合わせはその時の気分次第。ただ、花はあまり何種類も混ぜずに飾ることが多い。

「そのほうが、花の美しさが際立つ気がして。器との相性もよく見えますよ」

イギリス製の水差しに3色のチューリップを。

春らしい色合いの花は、オーセンティックなヨーロッパの水差しで長さを生かして。「同じ種類で、形の違う花を生けると素敵ですよ」

台所の花はコップでカジュアルに楽しむ。

台所には丈の長い花や、大きな花瓶は不向き。「小さなコップで、丈の短い小花を生けます。華やかすぎない清楚な草花がよく似合います」

厚手のクリスタルに球根の花をぎゅっと。

「丈の短い球根のチューリップが手に入ったので、球根ごと小さな鉢に生けました」。隙間なく入れれば、剣山も必要なく安定する。

花と器の個性を合わせ、徹底的に華やかに。

「とびきり華やかな組み合わせにしたくなる時も」。花弁が薄く繊細なラナンキュラスは、 同じく繊細なベネチアングラスの花瓶に。

紫だけのパンジーを同系色の水差しに。

「あっちやこっちを向く動きのある草花はその可愛らしさを生かして丈の短い水差しに」。同系色の器が花をよりエレガントに見せる。

茎の色に合わせて金属の器を選ぶことも。

「可憐な白い花は花器の色で締めることも。金属の水差しは、茎の色に合っていたので選びました」。器と花の長さのバランスも大切。

ワインクーラーにたっぷりと生ける。

「食卓に飾る時はワインクーラーもいいと思います」。厚手のガラスは花の量感を受け止め、うつむいて咲く花も自然に美しく見せられる。
ホルトハウス房子

ホルトハウス房子 さん (ホルトハウス・ふさこ)

料理研究家

西洋家庭料理を日本で広めた。本誌巻頭連載では、89歳の今も〝好きなものを作って気ままに食べる〟食卓を披露。鎌倉の自宅の一角でお菓子と喫茶の店を経営。

『クロワッサン』1092号より

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