くらし

春らしい一品、蒸し豆腐 ネギの香味ソース【ビジンサマレシピ】

信州と甲州にまたがる八ヶ岳連峰の一つ蓼科山に住んでいると伝えられているビジンサマという神様。そのお膝元である信州から、体に優しい食材を使い、卵や乳製品などの動物性食材を使用せず昔ながらの伝統的な調味料で作る「ビジンサマレシピ」を、地産地消料理研究家の中村恭子さんに紹介してもらいます。
  • レシピ提供:中村恭子

立春を迎え、日が長くなり、都内では梅が咲いているとか。

私の暮らす蓼科高原でも、朝晩は氷点下になるものの、日中は暖かい日が増えてきました。
食養生の考えによると、春は冬の間に溜め込んだ老廃物を出す季節と言われています。

また、臓器では解毒の働きをする「肝臓」をいたわる時期です。
春の味覚というと、山菜に代表される苦味がありますが、加えて肝臓には、酢、梅干し、レモンなどの酸味が良いと言われています。

我が家では、ウドが出回る頃になると、必ず酢味噌和えを作りますが、これは、美味しいだけでなく、食養生の点からも理にかなったお料理というわけですね。

写真は自生する三つ葉のパスタ。茹でたパスタと三つ葉にバターを絡ませてレモンを絞って、いただきます。春ならではの爽やかな味。

味付けだけでなく、調理法にも季節があると言われています。

例えばじっくり煮込む料理は冬、対して春は蒸したり、軽く煮るなどの調理法となります。命が芽吹いていく軽やかなエネルギーが広がる春、それに合わせて食べるものも軽やかにして体ごと自然と調和していきましょう、ということでしょうか。

というわけで、今回は春らしい一品、蒸したお豆腐に少し酸味を加えたネギの香味ソースがけをご紹介します。

冬越しの、体を温める食材でもあるネギをたっぷり使いました。山菜はもう少し先のお楽しみです。

お豆腐はそのまま蒸しても良いですが、ミキサーにかけて滑らかにしたものを器に入れて蒸すと、茶碗蒸しのような滑らかな食感を楽しめますよ。

蒸し豆腐 ネギの香味ソース

<材料>

豆腐(木綿)1丁 

白菜または青梗菜 数枚
ねぎ 5cm(約10g)

醤油 大さじ1
酢 小さじ2
水 小さじ2
甜菜糖またはきび糖 小さじ3/4~
ごま油 小さじ1

生姜 1片

<作り方>

1. 蒸篭(蒸し器)に白菜(または青梗菜)を広げ5〜10分蒸し、3等分にした豆腐を白菜の上にのせて、更に5分蒸します。
2. 蒸している間にソースを作ります。みじん切りにしたネギと調味料を混ぜ合わせます。生姜をすりおろします。
3. 蒸し豆腐にソースをかけてすりおろした生姜をのせます。

「ビジンサマレシピ」について

信州と甲州にまたがる八ヶ岳連峰の一つ蓼科山にはビジンサマという神様が住んでいて「ビジンサマが山を通る日、人は山仕事を休む」という言い伝えが残されています。「休む」ことは、美しく健やかな体づくりに必要なこと。ビジンサマの語源はもしかしたら「美人様」なのかもしれません。

蓼科塾では「休む」神様ビジンサマにちなみ、ビジンサマのお膝元である信州から「休む」ためにふさわしい体に優しい食材を使い卵や乳製品などの動物性食材を使用せず昔ながらの伝統的な調味料で作る「ビジンサマレシピ」を提案しています。

信州といえば、麹を使った味噌や甘酒などの発酵食品や、蕎麦、キビ、アワなどの雑穀、山野草にきのこ、リンゴや杏、ぶどうなどのフルーツ、寒天や高野豆腐などの乾物類などなど、美味しくて体に良い食材の宝庫。中には美容・健康効果の高い食用ほおずきといった、あまり流通していない食材もあり、入手方法から調理方法までお伝えしていきます。
「ビジンサマレシピ」で美しく健やかな体づくり、してみませんか?

中村恭子●一般社団法人蓼科塾代表/地産地消料理研究家/健康管理士。 2011年東京都より長野県茅野市に移住し信州の地産地消に根ざした「ビジンサマレシピ」の開発を手がけている。

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