落語家になると、お知り合いなどから「結婚披露宴の司会をお願い」なんてお話をいただくのはよくあることです。中には落語より司会の方が評判も収入も良い…なんて仲間もいるくらい。
余談ながらワタクシ、若手時代に司会ではなく、結婚式場に見学に来るカップルのために「こんなお式はいかがですか?」とプレゼンする〝模擬結婚式〜披露宴〞の新郎役のバイトをしていたことがあります。実生活では式も披露宴もやったことがありませんが、見知らぬ新婦役の女性とは何度も式を挙げています。
現在は格式張らずに、仲人を立てないお式も多いと聞きます。どんな形式にしろ、主役の新郎新婦が未来を誓い、お世話になったかたがたに感謝をする。周囲はその門出を祝う。心のこもった婚礼はいいものですね。この噺を演じていても「今日はいいお式で」という八五郎のセリフを、演者が心から言えるような高座が務められたら、落語日和極まれり、ですね。