くらし

トラブルを避けるために注意したい、遺品整理と不用品買取の業者選び。

捨て方がわからないものや捨てるに捨てられないもの、たまりがちなものなどをすっきりさせる方法を専門家に聞きました。
  • イラストレーション・鈴木衣津子 構成&文・長谷川未緒

トラブルを避ける遺品整理。

遺品から家族が把握していない貴重品が出てくるケースも。 「衣装ケースから、100万円の束が20個出てきたことも」(仲井さん)。

かつては親族が集まって手分けして行っていた遺品整理。核家族化に伴い、業者に委託するケースが増え、トラブルも増加中だという。

「不用品とはいえ、目の前で雑に扱われたり、残しておいてとお願いしたものまで持って行かれてしまったりといった話をよく耳にします。また、遺品の中には家族が把握していない貴重品が残されている場合があります。実際、この5年間で、2億5千万円の現金を見つけています」と語るのは、遺品整理士の仲井琢磨さんだ。優良業者を選びたいものだが、遺品整理業者は不用品回収業者の一形態で、特別な許可証などがあるわけではないため、選びにくい。

「遺品整理は心の整理とも言います。故人の思い入れがある品物の処分方法を確認し、できるだけリユース・リサイクルしてくれる業者を選ぶと気持ちもすっきりすると思います。費用は物量に加え、戸建てなのか集合住宅なのか、エレベーターの有無などによっても変わるので、複数の業者を比較するといいでしょう」

選び方のポイントを参照して、満足度の高い遺品整理をしたい。

優良な遺品整理業者の選び方。

□ ホームページをチェック
代表者の写真の有無や、顧客の口コミを確認。所在地をグーグルマップのストリートビューで見て、会社の実態があることもチェック。

□ 相見積もりを取る
複数の業者に見積もりを依頼。「今、決めてくれたら値引きします」などと、見積もり当日に無理強いしてくる業者は避けたほうがいい。

□ 日程などの要望を聞いてくれる
いつまでに終わらせたい、すべての遺品を一緒に確認したい、貴重品は買い取ってほしいなど、リクエストを聞いてくれるところに。

不用品買取業者にご用心。

大物家具や家電など、家から運び出すのが難しいものや、大量にある衣類等を処分したいとき、便利なのが不用品回収や出張買取サービス。しかし、安易に頼むと思わぬ事態も。

「引き取り無料と言いながら、トラックに積んだら料金を請求された、着物を買い取りたいと突然やってきて、貴金属や骨董品を売るよう強要されたといったトラブルが起きています。年齢を重ねて記憶力や判断力が曖昧なご家族がいる場合は、貴重品の管理をして出せないようにするなど、注意したほうがいいでしょう」

業者選びは遺品整理業者と同様に慎重に。万が一トラブルが起きたらクーリングオフできる場合もあるため、消費生活センターに連絡しよう。

トラブルに遭わないために。

● 不用品回収のトラックが来ても声をかけない。

● 勝手に訪問してくる業者を家の中に入れない。

● 業者が帰ってくれない場合、警察に通報する。

● 買取額の相場を調べ、自分で選んで依頼する。

買い取ってほしい不用品には見向きもせず、貴重品を売却するよう脅されるといったケースもあるが、毅然とした態度で断って。
仲井琢磨

仲井琢磨 さん (なかい・たくま)

プロアシスト東日本代表、遺品整理士

遺品整理、生前整理、特殊清掃を関東一円で行うプロアシスト東日本代表。丁寧な仕分け作業に定評がある。

『クロワッサン』1083号より

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