文・松原 始(まつばら・はじめ)
東京大学総合研究博物館・特任准教授。専門は動物行動学で、カラスの行動と進化を研究。『カラスは飼えるか』ほか著書多数。
海外旅行に行こう! という時、やっぱり買ってしまうのが『地球の歩き方』。
その中で、特に繰り返し読んで暗記する項目が二つ。一つは現地語の「トイレどこですか」。もう一つは、現地の料理である。料理は言語と同じく、その国の歴史と文化に直結したもので……などという小理屈はさておき、知らないものはぜひ食べてみたいからだ。
ところが、どこかに行きたくても行きづらい世の中になって3年目。せめて気分だけでもと思い、各国料理を見よう見まねで作ってみることもある。だが、見よう見まねにも限界がある。インドネシアのガドガドのソースって何が入ってるんだ?
これが全然知らない国となるとお手上げだ。たとえば、ブルガリア人やエチオピア人が何を食べているかなんて、普段は考えたこともない。同じ地球の上なのに。
そんな時は、『地球のかじり方』の出番である。