江戸時代、浅間山の大噴火で苦しむ人々を救うために、善光寺が「融通念仏血脈譜」というものを、極楽浄土へ行くおまもりとして与えたそうです。それを題材としてこの噺ができました。
といっても、堅苦しいどころか、かえって他の落語よりも柔らかいぐらいです。
通常の落語は、登場人物どうしの会話で物語が進み、演者の視点でナレーション的に喋る部分は最小限に抑えます。この「お血脈」は〝地噺〟といって、基本的に落語家がストーリーを語り進めることで物語が進んでゆきます。
ですから地噺では演者のセンスで話を脱線させたり、時事ネタを盛り込んだり、ときにはその場のアドリブで笑いを取ったり、演じ方の自由度が高いのです。その日のお客さまとどんな落語日和を作り上げることができるか、噺家の腕の見せどころ。それを存分に満喫してくださいね。