くらし

食と美容でリフレッシュ。古都・奈良で心身を整える。

美容ジャーナリストの倉田真由美さんが悠久の都、奈良へ。おいしく食べて、心身ともにきれいになる旅に出かけました。
  • 撮影・久間昌史

まずは春日大社にお参り。静かに心を清めて。

「コロナのこともあって、最近、自然界は人間が支配できるものではないんだとつくづく考えさせられました。そんなとき、奈良を舞台にした小説を読んで、自然と共にありながら、政治経済や文化の起点として栄えた奈良を訪れたくなって」という倉田真由美さん。

京都から近鉄奈良線で大和西大寺を過ぎると、一瞬にして広がる真緑の野原。ここは平城宮の跡地。突然、赤く大きい鳥居が見え、遠ざかっていく。進行方向右側が朱雀門、左が大極門だ。

奈良駅に着いて、まず向かったのは春日大社。768年、平城京と国民の繁栄を祈って創建された神社に一礼する。

「こういうとき、自分のお願いではなく、今ある命に感謝し、全ての生き物のために祈るべきなんですってね。ミャンマーの寺院で教えてもらいました」

生きとし生けるものが全て幸せになるようにと唱えたのは、奈良を治めた聖武天皇。春日大社の神様のお使いの鹿が、生まれたばかりの子鹿を連れてこちらをじっと見つめてきた。

春日大社

768年創建の世界遺産。朱塗りの社殿に並ぶ数多くの灯籠が美しい。国宝殿には国宝、重要文化財1836点を含む約3000点を収蔵。境内にある万葉植物園には万葉集に登場する草花が約300種植えられている。

奈良市春日野町160

命を養う食事を学べる「やまと薬膳」へ。

調理実演の前に講義。皆真剣にメモを取る。

奈良で食養法研究家として活動する、オオニシ恭子さん。倉田さんは、東京で開かれたオオニシさんの手作り味噌の会に参加して以来、ずっと奈良の教室に行ってみたかったのだそう。

教室は緑が繁る木立の庭を通って、玄関へ。教室近くには本居宣長に縁のあった古民家に「やまと薬膳・源氏物語」があり、毎月食事会などを開催している。

1970年代に、自身のひどい手荒れに悩み、食養法に出合ったというオオニシさん。
「食事は命を養う」ということをテーマに、自らの師の要請で渡欧。以来、約30年、東洋的食養法を基本に、ヨーロッパ薬膳を学び、普及に努めてきた。

選び抜かれた調味料やハーブ類も興味深い。

震災をきっかけに帰国し、奈良が活動の拠点になったのだという。料理教室は、講義と調理、試食。今日の授業は老年のための食事。料理には、庭に育っているスギナやいらくさ、春はたんぽぽも使う。

オオニシ恭子さん

「薬は艸で楽にすると書くでしょう。艸はその土地の恵みのこと。体を整えるためには、土地の人々が食べてきたものを知り、現代に合わせて取り入れていくことが大切なんですよ」

初級コースは、1回でも参加可能。食事を見直すきっかけになりそうだ。

やまと薬膳・お料理教室

初級から上級のコースがあり、食材の陰陽から体の不調に合わせた料理までを学べる。食事だけを楽しめる会やオンライン教室も。

奈良県桜井市初瀬1059 
TEL.0744・57・9038
http://www.yamatoyakuzen.com
mail:info@yamatoyakuzen.com

〈熟年、老年のための食事〉
「お年寄りの食のポイントは、塩気を控えること。体の機能が衰えていくので、老廃物などを代謝できずに体に溜め込みやすいことが不調の原因に。また量を摂れなくなるため、少量で多様な食材をお粥に混ぜ込んだり、野菜スープにしてもいいですね」とオオニシさん。

(A)めかぶのサラダ寒天和え
(B)団子入り小豆ヤンノー
(C)スギナの天ぷら
(D)蒸し豆腐の葛とじ
(E)山芋のひらひらスープ
(F)餅粟入り玄米リゾット

老親、老年夫婦のための献立例。日によって様々な年代に合わせた食事の教室がある。「老年のための食事は、実際にはこの中の2〜3品ほどあればいいんですよ」

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