ドアや床のきずや凹みを簡単DIYでカバーする。
撮影・青木和義 構成&文・松本あかね
木部の傷は樹脂で埋めてリカバリー【ドアの欠けとフローリングの凹み】
ぶつけたり落としたり、日常のうっかりでキズつきやすいドアや床。最小限の道具と資材でできる修繕法を聞きました。
用意するもの
[ ドアの欠け ]
エポキシパテと顔料、へらなどがセットになったキット。「わが家のリフォーム屋さん 木工用」4,000円※編集部調べ(キャンディルデザイン TEL.0120・1313・20)
木目を描くには細かいタッチや濃淡が表現できるマニキュアを。「住まいのマニキュア ミニ10色セット」1,780〜1,980円※編集部調べ(建築の友 TEL.0120・580・160)
[ フローリングの凹み ]
耳かき状の先端で樹脂を溶かす電池ゴテ。溶かした樹脂で木部の凹みを修繕できる。シェラック、スクレーパーとセットになったキットもあり。「ホットナイフB2006」2,740円、「ゴシゴシスクレーパー」430円
「イージーリペアスティック シェラックつや消し No.900」750円。
つや調整マーカーには「艶消し」「5分艶」などのタイプが。「ウルトラボンドマーカー 全艶消」1,730円※編集部調べ(以上キャンディルデザイン)
[ ドアの欠け ]
表面の化粧板に亀裂が入った状態。樹脂で溝を埋めた後に着色、木目を再現し目立つ欠けも修繕できる。
1.欠けを埋める
欠けの大きさに合わせてエポキシパテをカットし、2色の部分がしっかり混ざるまで練る。この時点から硬化が始まるため手早く。指先で押し込むように欠けを埋める。
2.はみ出した樹脂を削る
へらでならし、はみ出た分を削る。マスキングテープで囲い、直方体の木片に巻いた紙やすりで表面を滑らかに。
3.色を塗る、木目を描く
パテが固まったら筆にパウダー密着液をつけてパウダー顔料をとり、ドアに合わせて色を作る。周りの色を確かめながら塗り、乾いたら着色ペンで木目を描く。
[ フローリングの凹み ]
表面の化粧板が傷ついていない浅い凹みなら、透明なシェラック(樹脂)で埋めるだけで目立たなくなる。
1.シェラックを溶かし凹みを埋める
電池ゴテを熱し、凹みの上でシェラックを削る。削ったシェラックを溶かしながら凹みに馴染ませる。様子を見ながら少しずつ削るとよい。
2.水平に削ってつや補正
固まったら、スクレーパーのギザギザの面を床にぴったりつけ、表面を削る。次に反対側の先端部分で表面を整える。つや調整マーカーで周りに合わせてつやを補正する。
どんなに気をつけていても汚れ、キズがつくのが住まい。不満を感じつつも業者に頼むほどではないし、頼んだら高いしとそのままになっている事柄も多いのでは?
「掃除や洗濯と同じ感覚で修繕ができれば、居住空間はもっと快適になります」
と石井麻紀子さん。
「ホームセンターに行けば初心者も扱いやすい工具や便利な商品が揃っていますし、基本的な施工知識があればちょっとした不具合は自分で直せるようになります」
対処できるとわかれば、物を落として床を凹ませたとしても心は軽い。家具も今の生活に合わせリメイクできればもっと楽しくなる。つまりはDIY精神だ。
「DIYで今いる空間、毎日使う家具の価値が上がるとしたらやりがいも大きい。ぜひ簡単なことから始めてみてください」
『クロワッサン』1075号より
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