「私にとって整理整頓は、心のリズムが乱されないための作業。家の中が整っていたら、ものを探す手間や掃除をする手間が減って、時間配分がうまくできるようになる。何事もトントントンってスムーズにいくと、自分の使いたいところにエネルギーも使えるのよ」
そう話すIKKOさん。家を整えるために日頃から意識していることがいくつかあるという。その一つ目が「ものを増やしすぎないこと」だ。
「日用品も食料も、ストックを持ちすぎないように気をつけています。ものをため込まずに循環させるほうが、家が生き生きすると思うんです。
いただきものの包装紙なんかもすぐに処分するし、紙袋も3枚しか置いていません。紙袋っていつか使うと思って取っておきがちでしょう。でも実際のところ1カ月にどれくらい使うのか、一度調べてみたら、私の場合は3枚もあれば充分だなって思ったの」
余計なものが少ないシンプルな暮らしは、気持ちの余裕も生み出す。そんな考えに至るまでには、以前暮らした家での苦い経験もあったようだ。
「50代の頃に暮らした一軒家には、6畳ほどのストックルームがあったんですが、そこにどんどんものがたまっていったの。量が増えると何がどれくらいあるかも把握できなくなるから、同じものをまた買ってきてしまうのよね。気づいたらすごい量になっていて、不要なものを処分するのが本当に大変だったんです。
その時から少しずつ、ストックを持ち過ぎないように努力してきました。今の家には去年の冬に引っ越したのだけれど、今までで一番すっきり暮らせていると思います」