くらし

詐欺メールや偽サイトほか…スマホを悪用されないための使い方ルール。

スマホの中に入っている情報は、実は取り扱い注意。気づかずに悪用されたり面倒なことに巻き込まれないための知恵を専門家に聞きました。
  • イラストレーション・死後くん

今は全ての支払いがスマホでできる時代。気をつけないと悪質な詐欺に簡単に巻き込まれてしまう、と話すITジャーナリストの高橋暁子さん。

「コロナ禍で、通販を利用する人が増えたことで、フィッシング詐欺が頻発しています。
スマホに届いた連絡は、慌ててクリックしたり、何か情報を入力してしまったりと即座に反応しがちですが、まず何もしない、触らないのが正解。
そして、スマホは個人情報の塊ですから、当然ながら自分の大事な情報の扱いも気をつけなくてはいけないですよね。とはいえ、全てが危険なわけではありません。危険なこと、大丈夫なことをきちんと知って、スマホをうまく利用するコツをお伝えしましょう」

【キケン】スマホを落としてしまいました! ロックをかけていなかったけれど、 スマホ決済には使っていないから大丈夫でしょうか。

●ロックは必須! 写真やLINEの連絡先など、悪用される危険も。

「過去にいろんな事件は起きています。スマホで、多くの写真を撮っていますよね。ロックのかかっていないスマホを拾って、写真の画面を開けばあなた自身の写真や、家族、友人の写真を見ることは簡単。悪用されることもあり得ます。
また、LINEを開いて、あなたのふりをして家族に連絡し、呼び出すことも可能なんですよ。そんなことが起こらないようにするためにも、必ずロックはかけてください」と高橋さん。

今は顔認証、指紋認証でロックを解除できるスマホも多い。大抵購入直後にこのロック機能はセットするが、このとき認証機能が動かない場合のパスコードも決めることになる。これは万一忘れた時のために、アナログ形式で紙に書いて保存するのがおすすめだ。

【キケン】支払いができていないというメールが来ます。 詐欺かどうか、どうやって見分けたらいいのでしょうか。

見分けるのは難しい。そんなメールは放置する、が鉄則。

「SMSやメールなど、いろんなもので怪しい連絡が来ますよね。URLが入っていて開くだけでウイルスに感染するものもあります。一応全て開かないのが安心です。
メールは○○様などと宛先の名前が書いていないものは要注意なのですが、実際、判別はつきにくい。『決済できません』『このURLからログイン確認しないと使えなくなります』というメールはまずは閉じること。そして正しいサイトを検索してログインし、状況を確認してください」。

例えば、Amazonからメールが来たら、自分で本当のAmazonのサイトにログインして確かめてみる。「実際にログインして何もなければ、さっきの連絡は偽物。よく利用する買い物サイトなどは、正しいサイトアドレスをブックマークしておきましょう」

【キケン】外でWi-Fiに つなぐことで、何か読み取られてしまいませんか?

●鍵のついたWi-Fiにつなぎ、なるべく個人情報を入力するのは避けましょう。

「Wi-Fiの画面を開くと、鍵マークのあるものと、ないものがあることに気づくかと思います。鍵がないフリーWi-Fiでは、パスワードを入れずに使うことができますが、いろいろな情報を盗み見られてしまう可能性もあります。
このようなWi-Fiでは、自分の証券会社や金融機関などのアカウントにアクセスしたり、ID、パスワードを入れて見るようなサイトにアクセスするのはやめてください」。

鍵マークのついているWi-Fiは、暗号化されているということ。ただし、なりすましWi-Fiなどは見破るのが難しいので個人情報入力は避けて。また見るサイトもhttpsから始まるサイトを選んで見ること。

httpsのsとはsecure(安全)のs。利用した側が何を入力したのかを盗み見られないようなシステムになっているのである。

(大丈夫)アプリのトラッキングを許可って何のこと? 許可すると危険ですよね?

●危険ではありません。許可すると、表示される広告が好みに合うものになることも。

「トラッキングとは、利用している人の履歴や興味、関心に関わる広告を表示する機能のこと。トラッキングを許可しないと、関心のない広告が出ることになります。
ですから、広告を含めて情報を活用したい場合には、許可を選択して。また、位置情報を許可すると危険だと思っている人も多いのですが、例えばGooɡleなどのアプリは、位置情報がわかると近くのレストランが表示されたりします」。

アプリに合わせて許可すればより便利に活用することが可能だ。

【キケン】パスワード設定が面倒です。 ある程度同じものを使い回して いるのですが…。

●同じものの使い回しは厳禁。今すぐ変えましょう。

「一番ダメなパターン。セキュリティがしっかりしていないサイトからパスワードが漏れてしまうと、それを知った詐欺グループがさまざまなサイトに総攻撃をかけ、同じパスワードを使い回している人は被害に遭うことになります」

とはいえ、それぞれ違うパスワードは覚えていられないのが問題。

「アナログですが、一番いいのは手帳に書くこと。また、使いたいパスワードの真ん中にそのサイトの名前を入れて変えるのも手。例えばTwitterなら、…twi…と入れるなど、自分ならではの規則性を作って工夫してください」

【キケン】間違えて偽サイトで買い物をしないために見極めるコツはありますか?

●誰もが簡単に出店できない、楽天市場やYahoo!ショッピング、または実店舗のあるサイトを選んで。

「出店するまでの審査が厳しい、楽天市場やYahoo!ショッピング、また、メルカリなど何かあった時の補償があるものを利用すれば、まず騙されて損をすることはありません。
検索でたまたま見つけた、などで知らないサイトで簡単に買わないこと。そして支払い方法が着払いやカード決済であることも判断の基準です。着払いであれば、少なくとも商品は届きますし、カード払いで詐欺などで騙された場合は、条件によっては返金対応をしてくれることもあります。
振り込みのみのサイトは、振り込ませてそのままドロンということもあるので、避けたほうが無難でしょう」

(大丈夫)アプリのアカウント登録、 すればするほどいろいろ知られて怖い気がします。

●本当に必要な情報以外は書き込むのをやめるか、フェイク情報を入れても。

「信頼できる運営元のアプリであれば、基本的に個人情報を入れても問題があることは少ないと思います。ただ、アプリ上で必要のない個人情報まで全て入れる必要はありません。あまりにも多くの情報を求めすぎているなと感じたら書かなくて済むところは書かないこと。また、フェイク情報を混ぜて入力してもいいんですよ」

【キケン】デジタル遺産って何ですか? 自分が死んでもスマホを解約したら、 購読しているものはストップされますよね。

●ストップされません! 全てメモしておいて、家族がわかるようにしておきましょう。

「デジタル遺産とは、スマホにアクセスできなくて失われるもの。メール、写真、SNSのアカウント、ネット証券、ネットの金融資産、大事なメモなどですね」

中には月額で課金されているものも。もしもの時には、どうやって止めてもらえばいいのだろうか。

「今何を利用しているのか、エンディングノートにまとめて。カードの支払いを確認し、何が課金されているのかを書いておく。SNSのアカウントをどうしてほしいかなども書いておくといいですね」

高橋暁子

高橋暁子 さん (たかはし・あきこ)

ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授

SNSや情報リテラシー教育が専門。スマホやインターネットの事件やトラブル、ICT教育事情に詳しい。https://www.akiakatsuki.com

『クロワッサン』1072号より

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