●武田砂鉄さん(ライター)
今は個々の好みに合わせた音声メディアがたくさんありますよね。僕は子どもの頃からラジオ好きなのですが、ラジオってそうしたものの対極にあって古臭いと言われたりもする。でもラジオの老舗番組って長年の蓄積の上に作られていて、トークの引き出しの多さなど、さすがだなと感じさせられることが多いんです。
中には興味のない話もあるとは思いますが、それはそれで良いのではないかと。現代はいい意味での無駄な情報が入ってくる機会が減っていると思うし、何げなしにラジオで聴いた話が妙に心に残ったりするんです。
僕自身、生放送に出演していますが、ラジオは長い尺で自分の考えを話せて、予定調和に終わらない面白さがある。そんな中でリスナーと一緒に物事を考える機会が生まれたりする。ライブの楽しさですね。
個人的にはポッドキャスト『すべてのニュースは賞味期限切れである。』を聴いています。ただのお喋りではなく、いろいろと踏み込んだ話をしていて、聴きごたえがありますよ。