動線が悪い、モノが多すぎる…台所の見直し4つのポイント。
撮影・黒川ひろみ 文・松本あかね
見直し1[調理家電]機能が重複しているもの、不要なものは思いきって手放す。
「初めに使っているものと使っていないものを分けましょう。それから使っていないものの中で、絶対にいらないものと、本当は使いたいものとを選別して、残すべきものを見極めてください」
たとえ年に数回しか使わないものでも、同じお金を出してもう一度買いたいと思えるなら残すべき。そうでなかったり、機能が重複していて、ほかのもので代用できそうなら手放す決断を。
見直し2[動線]ワンアクションで手に取れる適材適所の収納で、効率よく。
「台所は動線ありき。使う場所に使いたいものがあると、無意識に体が動く台所になります。基本、調理台の前から1、2アクションで済む範囲にそこで使うものを収納することを心がけて」
別の言い方をすれば、家族が「ここにありそう」と思って開けた所にちゃんとあることが大事。流れに即した場所に置く「理にかなった収納」が家族にとっても使いやすい台所の第一歩だ。
●Before
「火のものは火のそば」、「水のものは水のそば」。つまりコンロで使う鍋類はコンロの近く。野菜を洗うときに使うボウル類はシンク下に。するとほぼその場を動かずに作業できる。
↓
コンロ近くの収納
●After
コンロの上に出しっぱなしだった2つの鍋、窓際にあったフライパンをコンロ脇に一括収納。油など調味料類もこの場所がベスト。
シンク下の収納
●Before
水筒と洗剤がごっちゃに林立。迷子のホットサンドメーカーも。
↓
●After
ボウル、ざる、やかん、水筒など、水に関係する道具の定位置に。
見直し3[食器]家族や食生活の変化に応じて、必要な種類、枚数を見直す。
新婚当時、デパートなどで買い揃えた食器が食器棚の奥に詰め込まれたままという家庭も多いのでは?
「重ねすぎ、詰め込みすぎは使いにくいもの。つい手前にあるもので済ませていませんか? 『使える食器棚』にするには、器の質感やサイズ、色のトーンを揃えて2客ずつに絞るという方法も。夫婦2人はもちろん、家族が揃ったときにも対応できます」
毎朝使う茶碗、汁椀、焼き魚の皿はまとめて取り出しやすい場所へ。重ねすぎず、片手でも取り出せるように。
北欧、作家もの、骨董が混在するがトーンが統一されているので、コーディネートしやすい。
見直し4[配置]探しものがすぐ見つかる、仲間分けの配置で一目瞭然。
同じ引き出しや棚に、「使用頻度の高いものと低いもの」「用途や目的が違うもの」が混在していると、使いにくく探しものも増える。こうした混沌を解決するには、まずは使用頻度の高い1軍とその他を分ける作業から。使っていないものを処分し、使用頻度の高いものを手前の取りやすい位置に配置。また引き出しごと、棚ごとに「テーマ」を設け、分類し直すことも必要。
●Before
カウンターに電子レンジ、トースター、コーヒーメーカー、炭酸水メーカーが隙間なく並んだ状態。
↓
●After
パン食が減ったためトースターは親戚宅へ。奥にあった料理本も厳選し、ドリンクを作るスペースができた!
●Before
吊り戸棚の中。上段には一度も使っていない茶器やちろり、中段は大量の保存袋。スパイスや茶葉もここに。
↓
●After
スパイス類と茶葉、だしの専用棚として改良。お菓子の焼き型や琺瑯のバットを利用して取り出しやすく分類。
●Before
コンロの上に鍋類、調理台に炊飯器、窓際のラックにフライパンやボウル類が散在。使用していない電気釜が窓を塞いでいた。
↓
●After
調理道具や家電を精査し、動線を考えて収納場所を変えたことにより、作業スペースも広々。外の桜並木も見えるように。
「台所が整えば、料理も変わります!」
『クロワッサン』1067号より
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