くらし

意外? 納得? データで知る介護の実情。

まだまだ先のことだと思っていた介護のこと。
数字にハッとしたら……、少しずつ準備をはじめませんか?
  • イラスト・古谷充子 文・中野幸子

65歳以上の約6人に1人が認知症患者

(2020年推計/内閣府「平成29年版高齢社会白書」)

年々増加している認知症患者。前段階である軽度認知障害(MCI)と推計される人を合わせると、高齢者の約4人に1人が認知症あるいはその予備群だという。MCIの人の約半数は、5年以内に認知症に移行するとも。認知症は他人ごとではなく、歳をとれば、誰にでも起こりうる身近な病気になった。

65歳以上の18.3%が要介護者。65歳以上の要介護者等は全国に約645.3万人

(2018年/内閣府「令和3年版高齢社会白書」)

2009年に469.6万人だった要介護または要支援認定者数(要介護者等)は、2018年で645.3万人に。この増加に、要介護者であっても適切な介護が受けられない介護難民が社会問題になっている。団塊の世代全員が後期高齢者になる2025年には、要介護者等の約18人に1人にあたる約43万人が介護難民になるという試算も。

65歳以上の人がいる世帯は全世帯の約半分

(2019年/内閣府「令和3年版高齢社会白書」)

65歳以上の人がいる世帯構造としては、夫婦のみの世帯が32.3%と最も多く、次いで一人暮らしが28.8%。老老介護や遠距離介護の増加につながる状況だ。一人暮らしは増加傾向にあり、人知れず起こる熱中症や転倒による骨折、孤独死など、事故の予防や病気の早期発見に向けた対策が急務に。

要介護者等と同居している介護者は54.4%。同居の主な介護者と要介護者等は60歳以上同士が上昇傾向

(2019年/厚生労働省「2019年国民生活基礎調査」)

要介護者等と同居している介護者の組み合わせを年齢別にみると、「70〜79歳」の要介護者等は「70〜79歳」の人が介護している割合が56%と最多。60歳以上同士の組み合わせは年々上昇傾向にある。同居介護が減ってきている現象、同居の主な介護者の男女比は3.5:6.5という現実も。

主な介護者の状況

介護準備でしたことの第1位は「介護施設情報の入手」

介護の第一関門は、情報収集と知識の習得だ。けれど、調べ尽くした中から介護施設に目処をつけたとしても、家族が入居を希望しなければ、その苦労は水の泡。いざ介護が必要になったときにあわてないよう、制度、住まい、お金、どんな暮らしやケアをのぞむのか、家族が元気なうちに話し合っておきたい。

介護を始める前に準備したことはなんですか?(複数回答可)

(2019年/みんなの介護「介護準備でしたことの第1位は?親の介護が始まる前にしておくべき準備をチェック」)

介護が必要になった主な原因 第1位は認知症。第2位 脳血管疾患(脳卒中) 第3位 高齢による衰弱

(2019年/厚生労働省「2019年国民生活基礎調査」)

認知症は、症状が軽いうちに適切な治療を受けられると、薬で進行を遅らせたりすることもできる。「いつもと様子がおかしいな」と思ったら、すぐに専門医のところへ。生活習慣が主な原因とされる脳血管疾患(脳卒中)や高齢による衰弱は、普段からそれぞれの予防にはげみたい。

介護における1カ月あたりの経済的負担は約3割の人が5万円未満

(2020年/SOMPOホールディングス「介護費用に関する調査」)

約半数の人が「わからない」と回答する中、具体的な金額を答えた人の中では、5万円未満が最も多かった。用途は、おむつなどの消耗品や医療費、訪問・通所介護など。介護度が進行するにつれて、金額の負担は大きくなる傾向。把握して、将来に備えたい。

介護している(いた)際の、 1カ月あたりの経済的負担

入居型介護施設への入居費用の平均は約74万円。在宅介護の初期費用の平均は約64万円。

(2020年/SOMPOホールディングス「介護費用に関する調査」)

介護施設に入居する際は高い費用がかかるイメージがあるが、在宅介護の初期費用と大きな差はなさそう。在宅介護の初期費用とは、電動ベッドや車椅子、自宅のリフォーム代など。それぞれのメリットを総合的に判断し、ライフスタイルに合った介護の選択を。

『クロワッサン特別編集 介護の「困った」が消える本。』(2021年9月30日発売)より。

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